旅行記
2024.02.03
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スタッフ:川勝

休暇村富士への玄関駅ともいえる富士宮駅はJR身延線(みのぶせん)の主要駅のひとつです。身延線は東海道本線の富士駅(静岡県)と中央本線の甲府駅(山梨県)を結ぶ88.4kmの路線です。富士宮駅から休暇村富士までの間は毎日7往復の路線バスが運行されており、公共交通で手軽にお越しいただくことができます。
前回のブログでは、この身延線の富士宮~甲府間について紹介しましたので、今回は静岡県側の富士~富士宮間をご紹介したいと思います。
JRの前身となる国鉄の身延線としての営業は昭和16年のことですが、今回ご紹介する富士~富士宮(当時は大宮町)間の開通は大正2年のことになります。さらに遡ると、この区間(ルートは現在の鉄道と異なる箇所がありますが)には明治42年に馬車鉄道が開通しており、これを当時の私設鉄道会社が買収、さらに国有化を経て現在に至ります。なお、
身延線の歴史については前回のブログでも触れておりますのでそちらもご覧ください。

身延線の起点となる富士駅です。橋上の駅舎で北口・南口を貫く自由通路が通っています。写真は南口側です。富士山を背景に写真が撮れます。

北口側ペデストリアンデッキからの眺望です。とごとなく昭和感が漂います。

身延線の列車は専用ホームの1または2番線から発車しますが一部は3番線発着になる列車があります。

身延線用1・2番ホームは片側行き止まりとなっていますが、昭和44年の線路付け替えまでは反対方向(東京寄り)に向かって線路が伸びていました。線路付け替え前の旧線は緑地歩道として整備され市民に親しまれています。この旧線についてはまた別の機会に紹介したいと思います。

身延線には全区間を走る特急「ふじかわ」が1日7往復設定されています。全列車が東海道線静岡まで乗り入れており新幹線利用に便利です。配線の関係から、富士駅で列車の進行方向が変わります。

富士駅で出発を待つ身延線の普通列車。このホームには、この地で古くから駅弁を販売されている富養軒さんのそば屋さんがありますが、この日はお休みのようでした。
列車は富士駅を出発するとしばらく東海道本線と並走しますが、やがて大きく右にカーブして北に進路を変えて富士宮へと進みます。なお、2駅先の竪堀(たてぼり)駅の先までは線路の付け替えにより新たに開通した区間で、市内の渋滞解消やその他の事情で付け替えられたようです。この新線区間には当時としてはまだ少なかった高架橋が採用され、市内を一望することができます。



竪堀~入山瀬(いりやませ)間の潤井川(うるいがわ)を渡る所身延線の列車。新線区間はここで終わりです。ここからは工場や畑、住宅地のなかを縫うように進み、富士根(ふじね)駅を出ると富士宮市内に入り源道寺(げんどうじ)駅を出ると富士宮(ふじのみや)駅に着きます。なお、車窓から富士山が見えるのは富士からの下り列車では進行方向右側ですので、車窓を楽しまれる方はこちら側がおススメです。

富士宮駅に停車中の普通列車。複線区間はここまででこの先は単線区間となります。

富士駅から10.7km、約20分間の列車旅でした。
以上、身延線の富士~富士宮間の紹介でしたが、今回の区間は距離も短く駅数も少ないのでこの機会に富士駅を除く各駅を紹介したいと思います。
新線区間に設置された駅で、旧線区間にあった本市場(もといちば)駅に代わる駅とも言えますが、距離にして約1.5km離れた場所に設置され駅名も新たに付けられました。高架駅であり改札口は高架橋の柱間に存在します。

柚木駅は県道396号線(東海道)と交わる部分にあります。この道路は交通量が多いため、旧線のような踏切だと渋滞必至です。

柚木駅柱改札口。柱間にひっそりと存在します。

新線区間にある高架駅。旧竪堀駅の西側約350mのところに設置されました。柚木駅とは異なり旧駅名のままですが、歩く人にとっては微妙な距離ですね。

この交差点の先の左側に旧竪堀駅がありました。今は遊具がいくつかある小さな公園となっています。

交差点名は駅が移設された後も当時のままの「竪堀」となっています。

市内鷹岡本町(たかおかほんちょう)に位置する比較的大きな駅。

広いホームからは富士山がよく見えました。

駅から歩いてすぐのところにある入山瀬公園には蒸気機関車と旧型客車が展示されており、「富士市立でごいち文庫」として市民に開放されています。

この駅から南西約700mのところにある龍厳淵(りゅうがんぶち)は古くからの桜の名所として知られており、春には多くの人々が訪れます。

また駅の南西300mほどのところには冒頭でもふれた富士馬車鉄道の駅舎跡地が存在します。この道の交わり具合から、どちらかが馬車道だったのでょうか。

駅舎跡地の記念碑。明治時代から製紙業が発達していたことを後世に伝えています。もちろん、現在でもたくさんの製紙関連の工場がこの地で稼働しています。

この駅が位置するのは天間(てんま)という地区で、富士根地区は駅よりも随分北側に位置します。身延線のルートを決めるにあたり富士根地区を通す案もあったようで、駅名はその名残のようです。

富士根駅の広いホーム。この駅周辺にもたくさんの工場があります。自家用車がまだ普及していなかった頃はたくさんの通勤者で賑わっていたことでしょう。

富士市から富士宮市に入って最初の駅が源道寺駅です。近くには高校があり朝夕は多くの通学客で賑わいます。

川にかかる橋上にホームがある珍しい構造をしています。身延線沿線には大小さまざまな川が流れており、富士山麓が水に恵まれていることを実感します。

ペデストリアンデッキが前に広がる橋上駅舎で富士宮市の中心駅です。多くの観光客が訪れる富士山本宮浅間大社はここから徒歩10分のところにあります。昔は「大宮町」の駅名が付けられており、現在では地名がそれを伝えています。

富士宮駅には現在は使用されていない1番線ホームが存在します。2~3両編成が標準の身延線には不釣り合い(?)な長いホーム(10両分かそれ以上?)です。このホームは市内にあるお寺ヘの参拝者専用に使われていたもので、全国各地から多くの列車が往来していました。現在はフェンスが通っていますが、ホームから直接道路にも出られる構造になっており参拝者はここからバスに乗って移動することができました。しかし、昭和63年に東海道新幹線新富士駅が開業するとその役割を終え、このホームが当時の活況を今に伝えています。
今回と前回の取材で、各駅に同じタイプのベンチを見かけました。座面と背もたれは木製、足の部分はうす緑色(コンクリート製?)に塗られたタイプで、背もたれはとても低くRが付いたシンプルでかわいらしい作りのものです。寝ころび防止のためか、最近では個々に区切られたベンチが主流なので久しぶりにフラットなベンチを見た気がします。(写真は入山瀬駅のもの)

以上、総延長88.4kmにわたる身延線を2回に分けてご紹介いたしました。休暇村富士にお越しになる機会がございましたら、のんびりと身延線の旅を満喫されてみてはいかがでしょうか。前回の富士宮~甲府間のブログのリンクも貼っておきますので良かったらご覧ください。また、今回一部紹介した旧線部分についても機会がございましたら改めてご紹介したいと思います。
(今回の訪問日 2024年1月29日、31日)
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