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2020.09.23

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網張のいきもの観察記録⑩ ~コテングコウモリ~

スタッフ:渡邊

ここ最近、網張は気温が下がり、秋らしい空気に包まれています。
お久しぶりでございます。
お待ちかねの方がいらっしゃるとは思いませんが、いきものシリーズです!
ただ今回ご紹介するのは、写真こそ地味な感じにはなっておりますが、少し珍しい”いきもの”かと思います。

~鼻が特徴的な手のひらサイズのコウモリ~

今回ご紹介しますのは、夕暮れから動き出すコウモリの仲間、「コテングコウモリ」です。
コテングコウモリ(子天狗蝙蝠)は北海道~九州、屋久島、対馬と日本全国に分布し、また朝鮮半島やシベリア半島にも生息しています。
大きさは50mmくらいで体重も6.5gと皆さんが想像する怖いイメージのコウモリと違い、とても小さく可愛らしいコウモリです。
特徴はなんといっても天狗のような長い鼻孔で、主に飛んでいる昆虫や葉の上にいる昆虫を食べています。

日中は主に樹洞(木にできた穴)や洞窟、家屋などで休眠していますが、今回見つけたのは社員寮の階段でした・・・
ある日、階段隅っこに黒い塊があるのに気づき、枯れ葉か何かかと思ってそのままにしていました。
後日同じところにまだあったその塊をたまたまライトでかざすと、枯れ葉に茶色い毛と耳のようなものが付いていることに気づきました。

あまりコウモリを見るの事があるわけではありませんが、このコテングコウモリに関しては学生時代に何度か見たことがあったので、なんとか記憶の片隅から名前が出てきました。
そんな学生時代のエピソードを少しお話ししようと思います。
(写真を撮るときにライトを照らしてしまってごめんね・・・)

画像1

~冬眠はあの哺乳類と同じ方法で!?~

学生時代、野生動物の調査などをしていた私ですが、大学の野外活動で一度だけコウモリを観察する実習がありました。
その際使ったのが、カシワの葉など少し大きめの枯れ葉を束にして生えている木の枝にぶら下げるだけの簡単なトラップを仕掛けるものでした。日中休息するコウモリの習性を利用し、かつとても小さいコテングコウモリだからこそできる方法ですが、意外とうまくいった印象を覚えています。
何日か放置して再び確認しに行くと、枯れ葉の束に包まれるようにして寝ているコテングコウモリを観察できました。
当時の写真がないのが残念なのですが、気になる方は調べてみてください!

画像1

画像2

そんなコテングコウモリ、冬は冬眠するのですが一般的なコウモリの仲間が洞窟や家屋の屋根裏で冬眠するのに対して、近年日本の研究者が「彼らは雪の中で冬眠している」という研究結果を発表しました!
秋から冬にかけて気温が下がると、彼らは雪の中にねぐらを移すと考えられ、雪に小さな穴を掘り、その体の上に雪が積もっていく。
体の動きと体温によって周囲の雪が解け、小さな空洞ができ、「かまくら」の様な状態になるそうで、ほとんど仮死状態にまで呼吸のスピードと心拍数を下げ、体温調節を放棄し周囲の温度に身を任せてしまうことで、寒い冬を乗り越えるそうです。

因みに雪の中で冬眠するのは、今までは「ホッキョクグマ」だけとされていたそうで・・・
コテングコウモリ、結構すごいいきものです。

写真は旭山動物園で撮影したホッキョクグマ