だいせん登山道の最新情報~冬に逆戻り~
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スタッフ名:久保昌之
3月9日(金)現在のだいせん夏山登山道の最新情報をお知らせ
午前11時の大山寺の天候 小雪 気温マイナス3℃ 微風
午後1時の6合目の天候 雪 気温マイナス6℃ 5~8m/s
一昨日まで暖かい日が続き、昨日は終日雨が降り続き、
かなり積雪量も減ってきていました。
昨日夜ぐらいから雨が雪に変わり、9日の朝までに大山寺付近で
10センチ程度の新雪が積もりました。
登山道においては吹き溜まりには新雪があり、昨日の雨で緩んだところは
アイスバーンとなっていて、非常に歩きにくい状態になっていました。
トレースも登山口からほとんどないに等しい状態でしたが、今年は
積雪量が少なく、ほとんど無雪期と同じルートがそのまま冬のルートになっていたので、
3合目までは迷うことなく歩けると思います。
3合目から上は所々で冬独自の短絡ルートができていましたが、
これもさほど迷うことはないと思われます。
注意することは4合目を過ぎてから、かなり融雪が進んでいて、抜け穴がかなりできていて、
その上に新雪が積もっていたために見えなくて踏み抜くことがあります。
特に大木の近くは「根開き」がありますので、ご注意ください。
5合目を過ぎて標高1300mを過ぎると抜け穴もほとんどなくなります。
キックステップをしっかり会得していないと滑って転倒することにもなります。
6合目まではアイゼンなしで歩きましたが、期せずしてキックステップの練習にもなりました。
6合目から上は風も強くなり、完璧にアイスバーンとなりますが、視界も悪く、
今日は無理をしないで6合目で登山中止としました。
このアイゼンをどこで履くかですが、道具さえ揃えたら冬山に登れると
勘違いしている登山者が最近は非常に増えているのも事実です。
アイゼンを使うこと以前にキックステップを習得してください。
キックステップで登れなくなった時にアイゼンを装着というのが基本です。
ということは冬の大山では10本または12本爪でないと難しいと思われます。
ただ3合目手前から傾斜が急になってくるので、アイスバーンが予測される時は
スタートから履いてもいいと思います。
この時もズボンの裾に引っ掛け転倒するということがあるようですが、
山歩きの基本が出来ていないからです。
これも冬はスパッツが必需品です。アイゼンワークの前にキックステップです。
また6合目からさらに上を目指す場合は、ストックからピッケルに持ち替えたほうが無難です。
これも滑落停止ができることが必要充分条件です。
アイゼンが必要な場所で転倒するとストックは何の役にも立ちません。
従って基本はアイゼンとピッケルはセットで考えることです。
ただアイゼン無しのピッケルは雪山訓練が出来ていればアリです。
これもその日の雪の状態によって臨機応変に対応できればいいと思います。
基本技術がないとこの対応が出来ませんのでご注意ください。
冬の道具が使えないと遭難事故に繋がることをお忘れなく。
7合目を過ぎてからはブルーの細い目印のポールを立てています。
これは迷わないためのものですが、
7合目から上はガスってしまうと方向がわからなくなります。
従って次のポールが見えない場合は必ずそこで無理をせずに
引き返してください。
あまり密に立てるとどんなに天候が悪くてもどんどん登ってしまいます。
迷いやすい場所は少し密に、わかりやすい場所はやや広めに立てて
いますので、無理をしないようにお願いします。
登った以上は下りもありますが、登りで無理をすると下れなくなります。
天候などの状況をみながら判断してください。
山頂避難小屋は積雪時は基本無人ですが、トイレは非水洗が1ヵ所だけ
使えます。風が避けられるだけいいと思いますので休憩等にご利用ください。
天候が悪い場合は内部も暗くなりますので、
ヘッドライト等はすぐに取り出せるところに入れておいてください。
トイレも含めて皆が気持ち良く使えるように、入り込んだ雪は
出られる時にほうきで吐き出す程度のことはご協力ください。
(ほうきやスコップは小屋内に常備しています。)
来週11日あたりから気温が上がり、天候も落ち着きそうですが、
天気予報については必ず確認して大山においでください。
積雪量が少ないために雪崩の恐れもよほどの場所に入らない限りは
ないと思われますが、コース外に出られるときはご注意ください。
道路にはほとんど積雪もありません。
しかし、まだまだ雪が降る日もありますので、
タイヤおよびチェーンなどは必ずご用意ください。
6合目から上は
完全にアイスバーンとなっていました。