皆様、こんにちは。
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地元の隠れた名店や、奥深い蕎麦の魅力を紐解くシリーズ「蕎麦文化を巡る」。
前回(Vol.17)に続き、今回も私がその職人肌な仕事ぶりに感銘を受けた、福井市開発の「さのや」さんを“追加”でご紹介させてください。
どうしても、前回の内容だけでは書き尽くせない一品があったのです。
それが、多くの常連たちがこの店で決まって注文する「いか天おろし蕎麦」。しかし、目の前に運ばれてくるのは、我々が想像する一般的なイカの天ぷら蕎麦とは一線を画すものでした。
咀嚼するほどに増す、裂きイカの濃密な旨味
お盆の上に端然と佇む器。その主役として添えられているのは、上品に揚げられた「裂きイカと季節野菜のかき揚げ」です。
箸を入れ、まずは天ぷらをひとかじり。
極限まで軽く仕上げられた衣が「サクッ」と繊細な音を立てた後、裂きイカ特有の心地よい弾力が歯を押し戻します。
驚くべきは、その味わいの深さです。生のイカとは異なり、一度乾燥させて旨味を凝縮させた裂きイカだからこそ、噛み締めるほどに豊潤な出汁のような甘みとコクが口内に広がっていく。衣の軽やかさと、イカの滋味深い噛みごたえのコントラストが、実に見事です。
辛味おろしが引き立てる、蕎麦と天ぷらの美しい関係
蕎麦を強くすすり、かき揚げを合わせる。
おろしの清涼感が天ぷらの油分を品よく洗い流すと同時に、裂きイカの旨味が今度は出汁へと溶け込んでいく。蕎麦の風味、出汁の辛み、そして天ぷらのコク。三者が互いを高め合うその味わいは、非常に洗練されており、最後の一滴まで飽きさせません。
単なる変わり種ではなく、計算し尽くされた一杯。店主の細やかなこだわりと、蕎麦への誠実な姿勢が伝わってくる逸品でした。
福井の蕎麦文化の奥深さを感じさせてくれる「さのや」さんの裂きイカ天おろし蕎麦。旅の記憶に深く残る、本物の味をぜひ現地で確かめてみてください
「さのや」 福井市開発1丁目127 休暇村越前三国から車で約60分
電話番号 0776-53-3321
営業時間 11:00~20:30 (LO20:00)
定休日 木曜、第4金曜