日本酒『山廃』仕込みってなに?
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スタッフ名:高橋(文)
手間暇かけたお酒の作り方です。
日本酒ナビゲーターの高橋です。
レストランにて日本酒の注文を迷われているお客様に、『この山廃とは何ですか?』と聞かれることがあります。
『山廃』の読み方は『やまはい』です。『山廃』とは『山卸廃止』の略です。
『山卸(やまおろし)』とは、蒸米・麴・水を仕込んだ後に櫂棒(かいぼう)と桶でをすりつぶす作業のことです。
山廃仕込みは、生酛造り(きもとづくり)から派生した日本酒の作り方です。生酛造りは、大量のお米をスムーズに発酵させるために必要な酒母を自然の力を使い手作業で培養・育成する昔ながらの酒造り製法です。蔵内に存在する様々な乳酸菌を取り込むため、蔵ごとに味わいが異なり複雑な風味が味わえます。
生酛造りは、山卸という作業を経て作られる『生酛』と山卸の工程をなくした『山廃』の二種類があります。
山廃仕込みは、空気中の乳酸菌など微生物の力をいっぱい借りて自然のままに酒母を培養・育成します。微生物は麴から生まれた糖分と乳酸菌の作る乳液によって死滅し、最後には強まった乳酸も出来上がった乳酸で弱まります。自然の摂理にかなった醸造方法です。
全体の9割ともいわれる人の手で乳酸を入れる速醸酒母は約2週間で仕上がりますが、山廃仕込みは酒母の育成に30日ほど必要です。微妙な温度管理のさじ加減も必要となり、とても手間暇をかけた作り方です。
山廃のお酒は濃厚の旨味と豊かな味わいが特徴です。
写真は、飛良泉の山廃純米酒です。
『飛良泉』は秋田県南部日本海に面したにかほ市、鳥海山の麓にある酒蔵です。創業は室町時代の長享元年(1487年)、東北で最も歴史があり、全国でも3番目の酒蔵です。飛良泉の特徴は酒母を山廃仕込みで作ることです。こちらの山廃純米酒は、ふくらみのある味わいで、快い酸味と飲み飽きせず味崩れしない腰の強さが特徴です。食中酒としては魚料理はもちろん、肉料理にもあいます。
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