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2020.09.12

秋の訪れ ~ 裏磐梯版・秋の七草

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スタッフ名:高梨

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「 秋の野に咲きたる花をおよび折り かき数ふれば七種の花
    萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝顔の花 」 ( 山上憶良 万葉集 )
 
奈良時代の近畿地方の秋のたたずまいが伝わってくる歌です。
春から夏の花(長日性植物)は、偉大なる陽光のエネルギーに急かされ次々開花しますが、秋の花(短日性植物)は、陽光が遠からず尽き果て冬が来るのを知っているかのように、自らの意志で咲くような、何か健気(けなげ)な風情があり、野山が緑であっても「秋」を感じさせてくれます。
 
憶良が詠んだ花は、現代の植物名ではハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウと言われていますが、1300年後の東北地方の裏磐梯では、秋の風情と言っても、やはり地域差や時代差を感じます。
 
そこで、現代裏磐梯版・秋の七草を私なりに選んでみました。
秋の風情が感じられて普通種として数多く見られる花から選びましたが、これがなかなか難しく、ハンゴンソウ、ススキ、ミズヒキ、ノコンギク、ツリフネソウ、アケボノソウ、ツリガネニンジンの七つとしました。
 
ハンゴンソウ(キク科)
オオハンゴンソウとは違い、こちらは在来種です。
ススキ(イネ科)
毘沙門沼の尾花です。れっきとしたイネ科の花穂。
ミズヒキ(タデ科)
熨斗(のし)に使われる水引に似るので名付けられました。
ノコンギク(キク科)
キク科は似た花が多いですが、今一番多い花です。
ツリフネソウ(ツリフネソウ科)
舟を釣ったような形の花。黄色のキツリフネも裏磐梯には咲きます。
アケボノソウ(リンドウ科)
各地で絶滅に向かっている花ですが、裏磐梯では見られます。
ツリガネニンジン(キキョウ科)
うす紫色のいかにも秋らしい愛らしい花です。
ワレモコウ(バラ科)
<番外>七種に入れられなかったけど、ススキとのコラボはまさに秋です。
私の独断になりますが、多少言い訳しますと、ススキにぴったりのヤマハギやマルバハギは、残念ながら少なく(ヌスビトハギならありますが)、こちらで一緒に咲いているのはハンゴンソウで、それなりにススキの風情に寄り添っています。クズは花期が合いません。オミナエシの代わりのオトコエシの方は見られますが何か色気がない。ナデシコ、キキョウはあまり見られませんし、フジバカマに近いヨツバヒヨドリは花期が終わりです。アケボノソウは不思議な雰囲気の花です。オオハンゴンソウは特定外来種なので除外です。
 
会津地方の他の山野なら憶良の詠んだ花がほぼ見られる所もありますが、裏磐梯は、132年前に磐梯山噴火の岩なだれで一本の草木もない大地になり、そこから再スタートした群落です。やはり特殊な群落なのですね。それまた植物群落の遷移がみられる学術的にも貴重な地域と言うことです。
 
皆さん、裏磐梯の秋の風情を感じにおいでになりませんか。 
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