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2020.11.14

裏磐梯の冬を飾る針葉樹

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スタッフ名:上村

秋が終わり、冬が近づいてきましたね。

裏磐梯の冬は、辺り一面が雪の白と空の灰色、枯れ木の黒に覆われ、モノトナスな風景が広がります。そんな中でも、緑を失わず、端正に佇んでいるのがマツやモミ、トウヒといった針葉樹たちです。

クリスマスに歌われる古いドイツ民謡のひとつに、このような歌詞があります。

 „O Tannenbaum, du trägst ein’ grünen Zweig,
den Winter, den Sommer, das dau' rt die liebe Zeit.„
 『おお、モミの樹よ、お前は緑の枝を身にまとっている、冬の日も、夏の日も、愛しい時が続いている。』 

ドイツ人にとって、冬の日も夏の日も変わらず緑で有り続けるモミの樹は、堅実と希望の象徴だったことでしょう。それは、同じく寒さの厳しい裏磐梯でも共感できる部分はあるのかもしれません。
 
さて、裏磐梯の曽原湖周辺には、この針葉樹が集中して生えています(※残念ながら、この歌詞に出てくるモミの木は見つかりませんでした(´;ω;`)ウゥゥ)。
 
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ちょうど右手側に、端正に伸びた大きな針葉樹がありますね。この時期にまだ緑色の葉を身に着けていると、さすがに目立ちます。ちょっと近づいてみましょう。

常緑針葉樹の名に違わず、細く鋭い緑色の葉っぱがびっしり集まっています。さらに、この針葉樹の下には・・・
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ソーセージみたいに細長い松ぼっくりのようなものが落ちていました。

そう、この針葉樹の正体はトウヒ(ドイツトウヒ、ヨーロッパトウヒ)です。このトウヒの細長い果実は、私にとっても少し特別な縁があります。

私の出身地、愛媛県松山市と姉妹都市であるドイツ南部の大学町フライブルク(Freiburg im Breisgau)は、黒い森(ドイツ語:Schwarzwald)と呼ばれる針葉樹の森林地帯に属しています。この地域の伝統工芸品『鳩時計』には、このトウヒの松ぼっくりが飾りとして使われています。

大学時代、フライブルクでドイツ語の語学研修を受け、その滞在時にお土産屋さんで鳩時計を何度も見ました。というのもあって、このトウヒという針葉樹にはどことなくヨーロッパ的なイメージが強かったのですが・・・、まさか日本の裏磐梯で見られるとは思いもしませんでした。
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もちろん、トウヒ以外にも、日本になじみのある針葉樹もありました。
下の写真では、右側がスギ、左側がマツです。
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これから、裏磐梯は長く厳しい冬へと入っていくことでしょう。とりわけ今年は積雪も観光道路の閉鎖も例年より早かったため、厳寒が予想されます。針葉樹は、綺麗な花を咲かせるわけでも、美味しい木の実を実らせるわけではありません。しかしながら、一面が雪と枯れ木の中で、緑を絶やさず端正に佇むトウヒ、マツ、スギ、モミの樹を見ると、私はこの樹々に堅実さと希望を見出さずにはいられません。
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