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2020.12.19

五色沼の不思議

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スタッフ名:高梨

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 12月5日のブログでは、五色沼とその美しさについてご案内しましたが、まだまだ書ききれない「五色沼の不思議」があります。今日はそれらをご紹介します。
 
 まず五色沼湖沼群は、沼の色の多彩さが大きな魅力であり、同時に不思議でもあります。

 これは、各沼の水の性質(酸性~アルカリ性の度合い)が基本として関係してきます。湖沼群を大きくグループ分けすると、酸性、弱酸性、中性の三つの性質の沼に分けられます。
 
 酸性は、瑠璃沼、青沼、弁天沼、赤沼の四つが該当し、次のような色合いです。
 
瑠璃沼(るりぬま)です。
火口湖の銅沼からの水が流れ込むといわれています。
青沼です。るり沼からの水が流れ込みます。他に沼の西側の底から温泉水が湧いています。
弁天沼です。青沼からの水が流れ込みます。 
赤沼です。独立した水系で、銅沼とよく似た酸性の特に強い水の不思議な沼です。
 これらの色調は、赤沼を除いて、青白色、青系統です。(赤沼はさらに特別に不思議な沼です。)

 酸性が強い沼は有機物が少ないため澄んだ色になり、透明な水は本来深いと青く見える性質があり、これで青系統の色になります。
 


 次に、弱酸性は、竜沼、深泥沼、毘沙門沼の三つ、毘沙門沼は東西に長く水質が違うので西部と東部に分けて色合いを示します。
 
竜沼(たつぬま)です。
弁天沼からの酸性の水に、柳沼からの中性の水が混ざって流れ込みます。
深泥沼(みどろぬま)です。竜沼からの水が流れ込みます。
毘沙門沼西部。赤沼からの水が流れ込むので、また酸性がすこし強くなります。
毘沙門沼東部。大きな沼で、あちこちから湧き水はあり、色は微妙に違ってきます。
 総じてこれらの色は、青系統に緑が加わった色合いとほぼ言えます。

 

最後の中性は、柳沼一つです。
 
柳沼です。
柳沼です。
柳沼
柳沼
 色は緑で、青系統は加わらない感じです。
 
(このほかに季節変化や経年変化、天候、風向き等のため、上記の写真とは異なる色を示すことも多いです。)
 
 このように見ると、五色沼の色を特徴づけるのは、青白色系の存在だと分かると思います。さらに、珪酸アルミニウムという火山性の微粒子の粘土鉱物が、水の性質(pH)によっては、イオンとなって溶けたり、白いもやのように水中に浮遊したり、沼底に沈殿したりするそうで、これが各沼の色の違いを一層複雑にするようです。
 
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 上の写真のように、青沼や瑠璃沼の沼辺の樹木には、時々、白い粉のようなものが付着することがありますが、これが枝葉に付着した珪酸アルミニウムです。
 
 さらに五色沼湖沼群の多彩な色は、酸性の水で溶けた鉄分が酸化された鉄さび色(赤系統)や、水中の植物プランクトンや水底に繁茂する植物(ともに緑系統)で、さらに変化に富んだものとなります。
 
 つまり、青・白・赤・緑の4系統の色とその混合により、多彩な五色沼の色がつくられるようです。

 また、特筆すべきものとして、青沼と瑠璃沼に見られる、水底に繁茂するウカミカマゴケ(ミズゴケやスギゴケに近いコケ類の一種)があります。他の植物が敬遠するような酸性の強い水でも生育し、ライバルが少ないので大群落をつくっています。同様の群落をつくるものとして北海道阿寒湖のマリモ(アオノリやアオミドロに近い緑藻類の一種)が有名ですが、こちらも天然記念物に指定されてもおかしくない、とても見事な大群落です。

 
 
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青沼のウカミカマゴケの大群落です。水中にマリモのように群落を作ります(但し丸い形でなく、巨大な半球状です)が、後の二枚は、水位が低下したときに、それが水面に現れたものです。
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 こちらは、るり沼の水面下のウカミカマゴケ群落です。すごい面積です。


 

 石灰岩地帯にできた中国の九塞溝やクロアチアのプリトヴィツェ湖群とは違い、岩なだれでできた複雑な地形と火山活動による水のため、五色沼湖沼群は極めて多彩な姿を見せています。世界のどこにもない貴重な湖沼群の魅力を、四季を通して楽しんでください。

(厳しい冬の寒さで、時に氷結する沼もあります。お出でになるときは、地元の情報を参考においでください。裏磐梯ビジターセンターか裏磐梯観光協会で情報が得られると思います。)
 

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