だいせん登山道の最新情報~好天の山頂~
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スタッフ名:久保晶之
3月2日(金)現在の大山夏山登山道の最新情報をお知らせします
午前9時の大山寺の天候 晴れ 気温マイナス1℃ 無風
お昼12時の山頂の天候 快晴 気温マイナス3℃ 無風
もうすぐ啓蟄(3月6日ごろ)ですが、
土の中で縮こまっていた虫たちが暖かくなって穴から出て動き出すころという意味です。
一雨降るごとに暖かくなり、日差しもだんだんと暖かくなっていく頃のようです。
今日も落ち着いた天候でしたが、
これは大陸からの高気圧の前側に入っていたためで、風も穏やかでした。
今年の大山の積雪は少なめです。結局、頂上碑も埋まりませんでした。
去年に比較するとほぼ半分程度です。
しかし少ないから楽に登れるとは思わないでください。
登山道については積雪がよく締まっており、
6合目辺りまではトレースもしっかりついています。
しかし気温の推移にもよりますが、
10本以上のアイゼンは必ずお持ちください。
危険ヵ所は5合目から上ですが、
稜線に出ると転倒すると両側の谷に滑り落ちてしまう危険性があります。
また5合目前後は抜け穴が多くあります。
できるだけトレースから外れないように注意して歩いてください。
6合目から上は今日の場合ですが、
バリバリのアイスバーンになっていました。
さすがに滑り始めると止まりそうにないので、
トレースを尻セードで降りている方はいなかったようです。
また6合目からさらに上を目指す場合は、
ストックからピッケルに持ち替えたほうが無難です。
これも滑落停止ができることが必要充分条件です。
アイゼンが必要な場所で転倒するとストックは何の役にも立ちません。
従って基本はアイゼンとピッケルはセットで考えることです。
ただアイゼン無しのピッケルは雪山訓練が出来ていればアリです。
今日の状態で、ストックと軽アイゼンだけで
下山しているパーティーがいましたが、
案の定恐る恐る下山してました。
滑って転倒したら、どうやって止めるんでしょうか。
みなさんピッケルはしっかりとカバーをつけてザックにつけてましたが。
このパーティーのリーダーの資質が問われる気がします。
何かあってからでは遅いんです。
これもその日の雪の状態によって臨機応変に対応できればいいと思います。
基本技術がないとこの対応が出来ませんのでご注意ください。
ピッケルもアイゼンも自分の命を守る道具です。
7合目を過ぎてからはブルーの細い目印のポールを立てています。
これは迷わないためのものですが、
7合目から上はガスってしまうと方向がわからなくなります。
従って次のポールが見えない場合は必ずそこで無理をせずに引き返してください。
あまり密に立てるとどんなに天候が悪くてもどんどん登ってしまいます。
迷いやすい場所は少し密に、わかりやすい場所はやや広めに立てていますので、
無理をしないようにお願いします。
登った以上は下りもありますが、登りで無理をすると下れなくなります。
天候などの状況をみながら判断してください。
山頂避難小屋は来年春までは無人ですが、トイレは非水洗が1ヵ所だけ
使えます。風が避けられるだけいいと思いますので休憩等にご利用ください。
天候が悪い場合は内部も暗くなりますので、
ヘッドライト等はすぐに取り出せるところに入れておいてください。
トイレも含めて皆が気持ち良く使えるように、
入り込んだ雪は出られる時にほうきで吐き出す程度のことはご協力ください。
(ほうきやスコップは小屋内に常備しています。)
まだまだ大山は冬山です。
冬の大山は誰でもが登れるほど簡単な山ではありません。
ちょっとミスをすると即遭難に繋がります。
命にかかわる事故にもなりかねませんので、充分にご注意を。
天気予報などの情報をしっかり把握した上で、
無理のない登山を心がけてください。