信州旨いもの紀行3~野沢菜~
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スタッフ名:中込
信州の旨いものに焦点を当てていくコーナー、第三弾です。
今回は「野沢菜」。
信州は野沢温泉村を中心に栽培されるこの作物は、
京都・大阪名産の天王寺蕪にルーツを持つアブラナ科の植物です。
今から約250年前、野沢村で新たな作物を探しこの種を蒔いたところ
突然変異を起こして根茎部分が小さく、葉が大きく育ちました。
そこで葉のほうを食すことになったのが始まりと言われています。
(ただし遺伝子研究では否定されているようです)
もともとは気候の条件もあり信越地方を中心に栽培されていましたが、
現在では北海道から熊本まで、全国的に普及しているようです。
野沢村を発祥とすることから「野沢菜」の名をつけられていますが、
もともとは「蕪菜」、あるいは「信州菜」と呼ばれ、
ご当地では単に「なっぱ」と呼んでいます。
食べ方ですが、やはり漬け物として食べるのが一般的です。
そのままをご飯やお酒のお供として、あるいは酸化が進んだものを
炒め物の具材として。毎食でも食べられる飽きの来ない味わいです。
近年では味だけでなく栄養価も評価が高まっています。
漬け物は発酵食品ですから、乳酸菌を豊富に含んでおり、
もとになった野菜の栄養もあまり壊すことがありません。
特に、熱に弱い水溶性ビタミンの補給には打ってつけで、
野沢菜漬けは1グラム当たり60ミリグラムのビタミンCを含んでいます。
これがどのくらいすごいかというと、レモンは果汁1玉分で20ミリグラムの含有量なので、
野沢菜漬け1グラムはレモンジュース3玉分に相当するのです。スゴイ!
(蛇足ですがレモンは果肉100グラムで100ミリグラム、
果汁100グラムで50ミリとキリがいいので指標にされるようです。
多めではありますが特別ビタミンCの補給に優れるというわけではありません)
冬にも旬の野菜を食べられるお漬物。
近年は大人も漬け物離れが進んでいるというので、
今年はお子さんと一緒にぜひ召し上がってみてくださいね。