匠の技がヒカる竹野の伝統を後世に受け継ぐ
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スタッフ名:中村&伊邉
先月の14日に竹野で行われた焼板ワークショップに参加してきました。
今回で2回目となるこのワークショップは前回に焼いた杉板を、公衆トイレの壁にはるという体験です。
そもそも焼板とは・・?
焼板はここ竹野浜地区に伝わる伝統的な外壁のことで、焼板にはたくさんの利点があります。まず、杉板を焼くことで、油がしみ出て板を保護します。さらに通気性がよくなり、結露が起きにくいこと、そして強い海風から守ることです。また、縦ではなく、横向きに板を張ることで、板の下部分が腐った場合、横に張ればすべての板を変える必要がないという先人の知恵が詰まっています。そしてなにより、竹野浜地区には路地が入り組んでおり、その町並みに焼板が使われることで、風情ある町並みとなっています。
焼板豆知識はこのあたりにして・・・当日はあいにくの雨!でしたが、地元の大工さんや学生さんなどが集まって朝から作業を開始しました。
焼き板を壁にはると聞くとそんなに難しくはなさそうですが、普段そのようなことをしない私たちからすると最初は釘1つ打つだけでも一苦労!
大工さんや学生さんにコツを教わりながら作業を進めていきます。
そしてこの作業!なんといっても難しいのが板を切ること!
今回私たちは切っていないですが、長さや切り目がぴったりと合うように切るのが大変なんです!
長さを測って切るのですが、大工さんの方法では写真のように板を二枚重ねて切ることで長さを測らずに隙間無く板を貼り付けていきます。この方法のほうが効率よく作業できるとのことです。しかしこの方法は熟練された技術のある大工さんだからこそできる方法なので、私たちが切るときは長さを測って切りました。
窓付近などの板の形が変則的な部分は大工さんの力を借りながら作業しました。窓の枠や複雑な壁面に対して板を切り、貼り合せることを大工用語では“ひかる”と言うそうです。
皆で協力して作業した結果、一日で終えることが出来ました!
大工さんの仕事を少しですが学ぶことができ、皆で協力して地域の伝統を繋げていく活動に参加でき、貴重な体験になりました。
竹野浜沿いにある公衆トイレですので、近くまでお越しの際はぜひお立ち寄り下さい。