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2020.10.17

休暇村探勝路トレッキング! ~ しみじみと秋の風情が漂います

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スタッフ名:高梨

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 休暇村周辺にもいよいよ本格的な紅葉前線が舞い降り、そこかしこに秋の風情が色濃く漂ってきました。

 植物のライフサイクルは、なかには木本(樹木)や多年生草本のように幹や茎や根に貯蔵栄養を持ち長い一生を過ごすものもありますが、基本はそれらでも、春に芽生え、栄養を自ら生産して花を咲かせ、秋に次世代の子孫(種子)を残して命のバトンを託すという、1年サイクルであります。
 そう、今、そのサイクルの終結を見る季節なのです。雪国である裏磐梯のそれは、ひときわ明確で鮮やかです。
 
 さて、そんなわけで今日は、最近の探勝路トレッキングで眼にするものをご紹介します。 
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   野ばらの実とノコンギク 2020.10.04
 赤いのがノイバラの実で、初夏に白い可愛いい花を咲かせ、あたりにバラの香りを漂わせます。香料や化粧水などいろいろと人間に利用されます。うす紫の花は秋の代表的な野菊、ノコンギクです。ノコンギクは、花期が長く実を結ぶ気配があまりなくとも咲き続けます。丈夫な地下茎で確実に分布を広げるので、種子を散布する必要が少ないからでしょうか。 
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  アケビ 2020.10.11(産状) /   2018.09.30(皮)
 今年はかなりの豊作で、探勝路沿いの茂みには至る所にアケビの実がぶら下がっております。自然の実りの中で甘く美味しいものの第一級といえます。昔、山の子供たちはおやつ代わりによく採って食べたものでした。人間は甘さを堪能した後、種を機関銃のように口から吐き出しますが、動物たちはもちろん呑み込みます。
 地上に散乱するアケビの皮には動物の食べ跡がよく見られます。
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   ヤマブドウ  2019.10.17
 こちらも美味な秋の実りのヤマブドウです。熟するのをぎりぎりまで待って食べると甘さが濃くなり、信じられないくらい美味しくなります。但しあまり待ちすぎると動物に先に食べられてしまいます。動物たちは食べごろをよく心得ているようです。
 それにしても、動物や人間様のためにヤマブドウという植物は、どうしてこんなに美味しいものを提供してくれるのだろう?!と、そのボランティア精神に敬服したりしますが、決してそうではありません。動物に食べられてなかの種子を他の場所に運んでもらい、広く子孫を散布してもらうために動物を利用するのです。おまけに動物の消化管の中を通過した種子は消化液の刺激で格段に発芽率が高くなるらしいのです。見事な、子孫を残すため生き残るための戦略ですね。
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   カンボクの実 2019.10.17
 美しい透き通ったルビー色のカンボクの実です。晩秋からスノーシーズン中よく目立ち美味しそうに見えますが、鳥や動物に食べられる形跡がなく3月を迎え、ようやく減ってきます。そう、毒はなく食べて栄養になるのですが、美味しくないみたいです。スノーシーズンの終盤にいよいよ食べ物がなくなると、鳥たちはしぶしぶ口にする(?)のです。実際、人間が食べても見事にマズいです。
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   マムシグサの実  2018.10.18
 こちらの実もグラディエーションが美しい色です。さて、美味しいと思えますか? 動物たちは分かるのです。「むっ、これは何か怪しい。食べない方がいい。」と感じるはずです。それもそのはず、毒草マムシグサの実なのです。トウモロコシの実の粒にも似て、時々人間の子が誤食で病院に運ばれたりします。動物たちよりは生きるための本能が薄らいでいるのですね。
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   オオウバユリの実  2020.10.04 / 2019.10.17 / 2019.10.29
 こちらは、動物でなく風を利用して子孫を散布するオオウバユリの実です。種子に無駄な栄養は蓄えず、代わりに風をはらむためのうすい翼のようなヒラヒラができます。木枯らしが吹くと、一つの実から1000~2000もの膨大な種子が空間に散布されます。
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       秋色濃い休暇村探勝路  2019.10.29
 休暇村探勝路の紅葉は、実は、赤や黄の鮮やかな紅葉とは少し違います。一番多いシロヤナギやケヤマハンノキが明確な紅葉をせず緑っぽい中間色を呈し、それらにツタウルシやヤマブドウ、ヤマウルシやナナカマドなど、赤や黄色の、つる植物や低木が絡み合うのです。いろいろな色が混然一体となったなかに、多くの植物たちの健気な生きざまが浮かび上がるのです。豪華な錦秋もいいですが、私は落ち着いた色調のなかの、生身の生命の輝きに、いかにも自然らしい美を感じます。
 
 このような自然の中の逍遥は、人生のたそがれ時(?)を生きる身には、少し感傷的で哲学的とも言える気分になります。それは寂寥ばかりということでなく、そうした命の営みの諸々を感じ取れる充足感にも似た気分です。いわば酸いも甘いもかみ分けた年齢ならではの心豊かな満足です。

 音楽でいえば、ブラームスの交響楽でしょうか。ちょっとヒネると、エリック・サティのピアノ曲?! いやいやヒネりすぎ! ここはバッハのバイオリン協奏曲集!バッハは偉大です。神の世界の音楽なので自然美にはぴったりはまります。
 
探勝路トレッキングのご案内
 さて、休暇村裏磐梯のふれあいプログラム「探勝路トレッキング」をここでご案内します。今年度は、都合により毎日曜日のみの実施となっております。約1kmちょっとの休暇村探勝路コースをゆっくり9:30~11:00の1時間半でめぐります。ほどんどが車イスでも行けるなだらかでゆったりとしたコースです。ガイド料金はお一人様600円です。
 磐梯山の明治の噴火でつくりかえられた大地とそこに息づく動植物の生活の様子を主体とした内容で、どの季節でも見どころ満載でご好評をいただいております。(約1㎞のコース全部を自力で歩ける方なら対象となります。)
 ぜひ一緒に自然の奥深さをしみじみと楽しみましょう!
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