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2022.02.09

穂高神社と抗う者達 その2

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スタッフ名:小山内

おはようございます。
まずは本日のゲレンデ情報から。
天気 晴 気温 -9℃

山頂 積雪140cm
中腹 積雪120cm
山麓 積雪100cm
 
やまぼうしリフト 8:45-16:30
のりくら山麓リフト 8:45-16:30
鳥居尾根クワッド 9:10-16:10
夢の平クワッド 9:00-16:10
かもしかリフト 10:00-16:10(整備の為10:00より稼働)
キッズパーク 無料開放
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今回も信州を舞台に数奇な運命を辿り、時代の露と消えていった人物達をご紹介しますが、先回より時代は一気に下り、鎌倉時代から室町時代への移行期。
世に名高い、中先代の乱にて中心的な役割を担った「北条 時行」です。
現在は某少年週刊マンガ誌にて連載もあり、徐々に知名度が上がってきている人物ですね。
彼は穂高神社ではなく諏訪大社に所縁があり、鎌倉幕府滅亡後において諏訪大社の大祝(おおほおり、神職)を代々継承し北条家の家臣でもある、諏訪氏の庇護を受けることになります。
諏訪大社自体、大国主命の御子であり天津神に逆らった国津神系の「建御名方神」を主神として祀っており、何やら不思議な縁を感じさせます。
ちなみに「建御名方神」の奥さんは「八坂刀売神」といいまして、何と穂高神社に祀られる「穂高見命」の娘と伝えられており(諸説ありますが)、つまりは海神=安曇一族の系譜に連なり、時代が下って諏訪大社の神職でもあり有力者でもある諏訪氏に繋がるという、これまた歴史の不思議さを感じさせるものがあります。
なお、北条時行は巫女と子をなし、その末裔であるという家系が長野県にはいくつかあると伝えられていることと、北条時行には中先代=鎌倉幕府と室町幕府の中間という名称がつけられるくらい、当時から人気があったことがうかがえます。

さて、戦国時代になるといよいよ有名な「真田幸村(信繁)」が現れます。
彼もまた天下を治めることとなった徳川家康にあえて従うことなく、命を賭して抗い続けました。
日本一の兵(ひのもといちのつわもの)と評され、今なお根強い人気を誇る英雄ですね。
徳川方から信濃国の支配権を与えると言われても、豊臣秀頼の為に裏切らなかったという逸話なども残っており、当時(江戸時代初期)の武家社会の規範となった儒教的な思想を抜きにしても、万人に尊敬される人物だったことは想像に難くありません。
これだけ時の施政者に反抗していながら、特に汚点もなく現在まで人気の衰えることのない人物は稀と言ってよいと思います。
(大抵は施政者によって都合よく解釈されたり、史実を書き換えられたりするのが通例ですね)
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では最後に幕末の志士、「相楽総三」。
出身は江戸であり、若くして西郷隆盛に従って各地を巡り赤報隊を立ち上げ、各地で大西郷の指示のもと工作活動に当たります。
しかし、その後何故か独断で信州を目指し、碓氷峠を越えるという行動に出るのです。
これによりかねてから新政府軍から危険視(独立行動、軍令違反)されていた相楽率いる赤報隊は、「偽官軍」として追われる身となりました。
最終的に相楽総三らは下諏訪にて捕縛され、処刑されてしまいます。
下諏訪町には彼らの名誉回復がされたことを記す、魁塚(さきがけづか)が建てられています。
略奪も行ったと記され、「偽官軍」という烙印を押された彼らは、本当に悪だったのか?
赤報隊は新政府軍の組織だったにも関わらず、何故彼が突然独断で信州を目指したのか?
そもそも相楽総三及び赤報隊は、本当に新政府軍の為だけに戦ったのか?
諸説ありますが、いまだ真相は闇の中です。

中国に「巴蜀」と呼ばれる地があります。
現在は四川省と呼ばれる、かつて「劉邦」が「項羽」より逃れて辿り着いた、周囲を険しい山脈に囲まれた別天地です。
実際、巴蜀の地は豊かでありながら未開だったため、劉邦が密かに力を蓄えるには最適の場所だったといえます。
その後も三国志で有名な「劉備」が本拠地とするなど、古来より中国において中央から遠いものの、非常に重要な土地として群雄が奪い合いを続けてきた歴史があります。
発想が飛躍しすぎかもしれませんが、ひょっとするとこの日本において、昔から人々はこの信州に「巴蜀」を重ね合わせて見てきたのかもしれません。
山々に囲まれた豊かな別天地に、時の権力者から悪として追われた英雄が逃げ込み、力を蓄えながら再起を図る…こういった心沸き立つ説話は、世の東西を問わず語り継がれています。
そんな一抹の夢と希望を抱きながら、歴史に華を添えた仇花=抗う者達も信州を拠り所にしていたのかもしれませんね。

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