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2023.11.17

帝釈峡で飲める!備北の地酒 ②超群~日本酒と水

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スタッフ名:榎本

いつも休暇村帝釈峡のブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。
レストランの榎本です。
今回の記事では季節や数量限定のお酒ではなく、通年でご用意のある庄原の地酒3種のうちの1つ、「超群」についてご紹介します。
画像1
「超群」は左側の一升瓶です。


この日本酒を作っているのは、休暇村帝釈峡と同じ東城町内にある「生熊酒造株式会社」さん。
こちらの醸造場の歴史も東城の町並みと中に刻まれ続けており、再来年には創業170年を迎える老舗です。
現在の主要ブランドである超群が登場したのは昭和元年のことで、こちらも3年後には100周年となります。
ブランド名はこの時につけられたものが続いており、「連山の中の富士山や、群鶏の中の一鶴のように、日本酒界で秀でる」ことを祈念したものだそうです。


さて、超群どころか東城町から一度離れて・・・・・・
突然ですが広島の日本酒がほかの酒処の日本酒と大きく違う点をご存じでしょうか。
答えは「水の硬度」です。

水の硬度とは?という点については、さっくり簡単にいうと「水の中に存在するミネラル(カルシウムやマグネシウム等の)量」の度合いを表しています。
こんにち目にする機会の多い硬度の指標はアメリカ硬度(単位はppm 1ℓあたりのミネラル量、mg/ℓと同数値)ですが、日本酒界で歴史的に用いられてきた硬度の単位はドイツ硬度(単位はdh 1dh=17.8ppm)です。
このドイツ硬度の表記に変換したWHOの基準によると、

  0~3.3dh未満  軟水
3.4~6.6dh未満  中硬水
6.7~   dh    硬水

となります。

しかし、この基準は当然各国内の水の平均的な硬度によっても基準が変わるため、硬水の多いドイツにおいては

  0~8.4dh未満  軟水
8.4~ 14dh未満  中硬水
 14~   dh    硬水

となっていますし、軟水の多い日本国内では一般的に

   ~5.6dh未満  軟水
5.6~   dh    硬水

という区分がなされているようです。


このミネラル類は実は日本酒造りにおいて酵母の栄養という比較的重要な役割を果たしており、言い換えると硬度が高い水ほど醸造が早く確実にすすみ、糖がアルコールやアミノ酸等に変換されます。
逆に硬度が低いと醸造に時間がかかり、雑菌の繁殖による火落ち(腐造)のリスクが高いほか、糖分が分解され切らずに残り、味わいに影響を及ぼすこともあります。

そもそも酒造りにおいて一番多くを占める原料が水です。
イメージの強い米ももちろん重要な原料ですが、単純な重量比でいうと、米1に対して水は20~30は必要になるそうです。
「水の味がそこまで・・・・・・」と思っていても、この比率を見ると、なんとなく水の味が酒の味に影響してそうに思えますよね。


話は戻りまして、日本の三大酒処といわれる兵庫の灘・京都の伏見・広島の西条の酒造りに用いられる仕込み水の硬度は、同じ順番でおよそ「6.5dh・4.5dh・1.5dh」となります。
つまり、実は西条の水は軟水で、酒造りの難易度が高い水だったのです。(しかしそれでも県内の平均に比べると硬度が高めの水ではあります)


が、生熊酒造の創業から30年ほど後、西条の南、安芸津の酒造家三浦仙三郎が酒造りの環境を科学する(温度管理や衛生管理を数値に基づいて行う)ことで「発酵に時間がかかる」それまでの弱点を逆手に取り、それまでの酒造りとは違うアプローチ=麹の育成から時間をかける長期発酵に踏み出しました。
1897年ころに確立したこの「軟水醸造法」により、灘の男酒(コクや酸味がつよく、辛口といわれる日本酒)に対して女酒(味わいはまろやかで香り高いといわれる日本酒)ジャンルへの進出を果たし、今に続く酒の都・西条が栄えたわけです。(一説では現在もてはやされている吟醸造りのルーツはこの軟水醸造法にあるといわれています)



東城町に戻ってまいりましょう。
上で書いた通り、広島県内での酒造りが飛躍したのが1900年ころですが、東城に酒造りが芽吹いたのはそれより半世紀近く前のことになります。
これはなぜなのかと言うと、実は帝釈峡周辺の石灰岩質の地層により、東城町周辺の水は日本でも有数の硬度を誇っているのです。(灘の仕込み水と同程度かそれ以上)



技術の進歩のなかで、男酒・女酒という味わいのジャンルは、ほぼ硬度に関係なく作ることが可能となった現代ですが、連綿と続く蔵の歴史の味わいは、年ごとに差はあれども大きく変わる事なく受け継がれています。
そうして今日に続く超群のキレのある旨さを味わうのにおすすめなのは、この寒くなってきた時期にピッタリな熱燗です。
ぜひ休暇村帝釈峡レストランにてお楽しみください。


◆レストラン
 ●上撰本醸造 (冷酒・ひや・燗酒)
   とっくり 120㎖  500円
        240㎖  850円


◆売店(常温販売)
 ●大吟醸
   四合瓶  720㎖  3,300円

 ●純米吟醸
   四合瓶  720㎖  1,870円

 ●本醸造
   四合瓶  720㎖  1,120円

 ●純米 八反錦
   四合瓶  720㎖  1,440円

 ●純米 千本錦
   四合瓶  720㎖  1,600円

                       ※価格はすべて税込
前回の記事もあわせてどうぞ♪

帝釈峡で飲める!備北の地酒 ①菊文明~日本酒と米

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