磐梯山は再び噴火するか?! ~ 活火山・休火山・死火山??
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スタッフ名:高梨
休暇村裏磐梯の体験プログラムの一つ、スライドトーク「磐梯山の噴火と裏磐梯の自然」では、実施後に『磐梯山はまた噴火するのですか?』とか『磐梯山は休火山ですか?』という質問がお客様からよく寄せられます。私としても気になっていることなので、このブログでお話しします。
まず旧来行われていた、火山を「活火山・休火山・死火山」と分類するのは、現在は使われておりません。死火山と思われていた火山が噴火する例などが時々あり、短い人類の歴史スケールで火山の一生を捉えるのが難しいからです。
例えば長野県の御岳山。有史以来火山活動の記録がなく、死火山と思われていたのが1979年に突如噴火をしましたし、さらに2014年には63人もの死者不明者を出した活動も記憶に新しいところです。
(御岳山噴煙2014年09月)
現在では、過去10,000年以内に噴火活動をした火山は、今後とも活動する可能性があるということで、すべて活火山としています。(古文書など人間の記録に残っているだけでなく、地質調査等で活動したのが明確である場合も含めます。)
ゆえに変わったところで、会津にある沼沢湖(今から5,400年前にカルデラ噴火)や、青森・秋田県境の十和田湖(西暦915年にカルデラ噴火)も、ともに湖ですが活火山となっております。興味深いことに、両者ともに大蛇伝説があり、火砕流・溶岩流などの火山活動が、血を流しつつ湖水から大蛇が出てくる様子に置き換えられた可能性があります。
磐梯山には大蛇伝説はありませんが、「足長手長」という妖怪伝説があります。山頂からの噴煙活動が、山頂の火口に住む「足長手長」になったのかもしれません。
(桜島の噴煙)
133年前(西暦1888年)に大きな水蒸気爆発で小磐梯が大規模山体崩壊を起こした磐梯山も、まさに活火山です。そして『また噴火するの?』と聞かれれば、『します』と答えるのが正しいことになります。
ただいつ噴火するかは言えません。現在のところ磐梯山に火山活動がひっ迫しているデータ・情報はない、とだけは言えます。
(磐梯山の爆裂火口と岩なだれの堆積地 下は五色沼最大の毘沙門沼;空撮)
(黄金平から望む今は亡き小磐梯方面)
また火山には多くの個性や独特のクセがあり、磐梯山の場合、最近1万年間に推定11回の火山活動がありましたが、9500年前の噴火を除いていずれもマグマ(火山噴火の原因となる、地下にあるガス成分を含む高温高圧の液状の物質)が地表に出る活動はありません。マグマの熱により地下水が熱せられて水蒸気となって吹き出る水蒸気爆発がほとんどです。
以上から、磐梯山は、桜島や浅間山、三原山、有珠山などの頻繁に活動している火山よりは火山活動がやや衰えてきて、生成活動(噴出活動)だけでなく消滅活動(山体崩壊、風化浸食)も明確に起きている点で、老境に入った火山(?)と言えるのかもしれません。(ただ繰り返しますが、今後も噴火活動はあるでしょう。)
また磐梯山に特徴的な山体崩壊を起こすような火山活動は、火山の一生の視点では、溶岩流出や火山灰噴出などよりは、はるかに稀な活動です。
(明治の爆裂火口の内部;銅沼付近)
以上を整理すると、磐梯山は、約70万年前に誕生、数多くの火山活動を起こしながら標高2000m近い高さ、地図上の火山体の直径10㎞近い火山に成長したが、約5万年前と西暦1888年には大規模山体崩壊を起こし、活動が衰えつつある、ということでしょうか。
(南西から見た磐梯山~5万年前の大規模山体崩壊の跡が見られます。)
破線;以前の山体
縦線;崩壊壁
黄色線;流れ山地形
緑線;新しい山体(今の磐梯山)
ウエディング・べールのような磐梯山(猪苗代側;南東側より)
日本は、地球上の名だたる火山国です。今のところ、磐梯山全域で安全に火山ウォッチングが可能です。自然の驚異を楽しみながら、火山防災のあり方をも考えてみませんか!
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