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2020.08.23

疫病退散ーいにしえの祈りと願いー

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スタッフ名:斎藤 賢人

いでは文化記念館企画展

時代が令和に改められてから二年目の今年、日本でも世界でも、新型コロナウイルスの感染症が猛威をふるい、いまだに終息の兆しがみられません。
古代の日本においても、疫病は様々な天変地異と並んで、元号を改めるに値するほどの恐るべき災害として様々に原因が考えられてきました。疫病に関する我が国最古の記録を残す『日本書紀』では、欽明天皇の時代に疫病が蔓延した際、中臣氏と物部氏は、我が国が仏教を受容したことが原因だと主張しました。その後、日本人の疫病に関する知見は、罪と穢れを祓い清めることに加え、漢籍や仏典を通じて外来思想の影響を受けながら徐々に形成されました。
その結果、疫病をもたらす原因と考えられたのが、牛頭天王をはじめとする鬼神と、様々な原因から恨みを残して死んだ者の亡霊「御霊(ごりょう)」の存在です。こうした「疫病をもたらす神(疫神)」に対して、人々はもてなしたり、避けたり、調伏したりと、あらゆる方法で向き合ってきたのです。
ここ出羽三山でも、多くの伝承の中に疫病退散の祈りが込められています。精霊祭(現・松例祭)は、その始まりを紐解くと、疫病をもたらした鬼神を鎮めるための祭儀でした。また羽黒山を中興した後、不運にも追放されてしまった天宥別当には、疫病をもたらす鬼神でもあり、御霊でもあるという信仰が生まれます。
今回の展示を通して、昔から今につながる、人々の疫病に対する祈りの姿を探ってみたいと思います。この他、手向周辺、湯殿山の疫病退散に関する信仰なども多数展示しております。

羽黒、出羽三山にお越しの際は是非お立ち寄りください。
先人たちは祈ることによりこれまでの疫退散に向き合ってきました。手を合わせ祈ることは、宗教関係無く日本人に息づく精神とも言われています。
企画展の期間は2020年8月1日~2021年4月12日までです。
詳しくは、いでは文化記念館までお問合せください。

いでは文化記念館

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