三重県、奈良県、和歌山県の三県を流れる「熊野川」。
その長さは183㎞、流域面積は2360㎢の紀伊半島を代表する大河川です。
流域は「吉野熊野国立公園」に指定されていてダイナミックな自然景観が楽しめ、熊野本宮大社と熊野速玉大社間は「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されています。
そんな熊野川の河口がどのようになっているか皆様はご存知でしょうか?
私は以前から新宮紀宝道路の熊野川河口大橋を通るたびに河口がどのようになっているか気になっていました。
そこで先日、熊野川の最河口まで行ってきたのでその様子をご紹介いたします。
河口へは王子ヶ浜の堤防に設置されている階段から行くことができます。
王子ヶ浜の堤防から見た河口方面です。
ここからではその様子を確認することはできません。
階段を下りて王子ヶ浜へ降り立ちます。
海に向かって右側(南西)には当館が位置する宇久井半島が見えています。
王子ヶ浜は七里御浜と同じ砂礫海岸となっていて、熊野川から流れ出てきた石が流れ着いて構成されています。
河口側へ進んで上流の方を見ると、新宮紀宝道路の「熊野川河口大橋」が見えています。
対岸は三重県紀宝町。大きな製紙工場が見えています。
ちなみに正確な県境はこの辺りで和歌山寄りになっていて、すでに三重県に入っています。
川のそばまでやってきました。
河口側から、新宮紀宝道路の「熊野川河口大橋」、紀勢本線の「熊野川橋梁」、国道42号旧道の「熊野大橋」、国道42号の「新熊野大橋」と、橋が続いている様子を確認できます。
川の様子を見てみると、ここまでかなり幅の広い熊野川ですが、河口のところは急に狭くなっているみたいです。
この狭くなった部分で、海に向かってかなりの高低差があることがわかりますね。
また、海の手前には砂や礫がかなりの高さで堆積していることも確認できます。
川の水面の辺りに立つと海が見えないほどなので、1~2メートル程の高さがあるかと思われます。
上から見下ろすと、波がかなり勢いよく押し寄せている様子が確認でき、波により堆積した礫と川の流れがぶつかったことで、このような高い堆積した部分と、複雑な川の流れができたのではないかと推測できます。
いわゆる「河口砂州」というものでしょうか。
熊野灘から何も障害物がなく波が押し寄せるため、波もかなりの高さがあります。
川と海の間が数メートルしかない河口砂州の部分へ進んでみます。
この辺りの川の様子を見ると、高低差と水量の関係もあってかかなり勢いよく水が流れていることがわかります。
大人でも流されてしまいそうな川の様子に少し恐怖を覚えました。
仮に泳いで三重県に行こうとしても、この水流と三重県側が壁のようになっている様子から、この辺りで泳いで行くのは難しそうです(そもそもそんな人はいないと思いますが…)。
歩いて行ける一番端の辺りまで来ました。
気になっていた熊野川の最河口部はこのようになっていたみたいです。
勢いよく流れ出る川の水と、それに対抗するように勢いよく押し寄せる波とがぶつかり合って複雑な地形と水の動きになっています。
この辺りは天候次第で地形が大きく変わっているかと思います。
河口で見る熊野灘からの波の様子です。
迫力がありずっと見ていられました。
後ろを向くとこのような感じです。
右は川の水、左は海の水です。
もしも急に川の流れが変わって取り残されたらと考えると恐ろしいです。
熊野川河口大橋付近で600メートル程ある川幅が、最河口部で数十メートルしかないのは違和感しかないですが、河口砂州というものは他でもいくつか見られるみたいです。
熊野川の河口部を後にし、無事帰ってくることができました。
今回は、熊野川の最河口部についてのご紹介でしたが、いかがだったでしょうか。私は「自然」、「地理」の面白さについて改めて感じることができました。
なお、熊野川流域は全国的に有名な多雨地域であるため急な増水の危険もあるため、万が一行かれる場合は上流も含めた天候の確認。また、川も海も水の流れが複雑なため無理に近づかないなど、安全には十分お気を付けください。