サステナブルツーリズムとは
「訪問客、産業、環境、受入れ地域の需要に適合しつつ、現在と未来の環境、社会文化、経済への影響に十分配慮した観光」とUNWTOによって定義づけされています。
このような概念がうまれた背景には、オーバーツーリズムがあるといえます。オーバーツーリズムという言葉が出始めたのは、2016年頃だったと記憶していますが、日本では何十年も前から観光公害という言葉のほうがよく使われてきたかもしれません。「特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が市民生活や自然環境、景観等に対する負の影響を受忍できない程度にもたらしたり、旅行者にとっても満足度を大幅に低下させたりするような観光状況」と観光庁によって定義づけされています。
みなさんのお住まいの地域ではオーバーツーリズムが起きていますか?あるいは旅行先でオーバーツーリズムだなぁと感じたことはありますか?私はあります。3年ほど前に訪れた京都では国内外の観光客でどこも大変混雑していました。街全体に活気がありそれはいいことですが観光するには大変でした。
コロナ禍で水質改善されたハワイの海
日本でも人気を誇る海外旅行先のひとつであるハワイ。私はまだ行ったことがないのですが、ハワイもまたオーバーツーリズムが深刻でした。そんなハワイではコロナ禍で観光客が減ったことで水質が改善されたというデータもハワイ大学の研究によって報告されています。(写真はハワイにも引けを取らない志賀島の海)
今年のゴールデンウィークは、各旅行会社が2年ぶりにハワイのツアーを実施したり、ハワイ以外にも海外旅行に向けて出国する観光客の姿が空港から報道されていました。ハワイに戻ってきた日本人観光客の数はゴールデンウィーク時点で1割程度だったそうですが、夏には2割、秋以降は5割まで回復すると見込まれています。
ハワイの海がコロナ禍で美しくなったという記事(英字)
どちらかを選択ではなく互いに尊重して共存する未来
サステナブルツーリズムを実現するためには、受け入れ側の観光地だけではなく、訪問側の観光客側の意識も大切だと思います。「観光の力によって地域の自然や文化や経済を守ること」がサステナブルツーリズムの目標のひとつですが、そのためには受け入れ側と訪問側の両者の協力が欠かせないと考えます。先ほど私は3年前に京都へ行ったと書きました。たしか10月下旬の紅葉シーズンの土日だったと記憶しています。大混雑なのは行く前から想定していましたが、混雑具合は想定以上でした。友人との旅行だったのでピンポイントでその日程しか調整できなかったのですが、やはりゆっくり観光するには紅葉シーズンを避けたり、紅葉シーズンでも平日を選択するなどちょっとした工夫と配慮が大切だと思いました。
観光客として取り組めるサステナブルなこと
一方で、観光客側として取り組めることはなんだろうかと考えます。観光地で食事をしたり文化体験をしたり消費をすることで観光地が潤うのは喜ばしいことですが、オーバーツーリズムで観光地に負担をかけてしまっては本末転倒です。
最近は、自然体験ができるアクティビティに参加した際に、その参加費用の一部が山や海などの自然を守る活動に使われていることも増えてきました。きっと観光客側も旅行をする際にそういったところをもっと意識して選択するようになると、日本国内でもそういった取り組みが増えていくのではないでしょうか。地域の方々がどういった想いで文化財や自然を守ってきたのか、今後はどうしていきたいのか、訪問前にそういったことを考えることも旅行先や観光地を選択する際に必要になってくるかもしれません。しかし、世界の旅行者と比較すると日本の旅行者はまだまだその辺の意識が低いようです。
私は観光客側として4つのことを心がけています。1つ目がアメニティの持参と連泊清掃を断ること。2つ目が現地までは鉄道での移動を心がけて、現地では散歩や自転車やバスを利用すること。北欧では「flight shame」という言葉があるほど、移動手段に飛行機ではなく鉄道利用が盛んとなっています。下のグラフからもわかるように飛行機はCO2排出量が他の乗り物と比べて最も多いからです。そして3つ目が手荷物を軽くすること。4つ目がオフピーク旅の活用とひとり旅をすることです。
オフピーク旅とひとり旅のメリット
オフピーク旅の活用やひとり旅もまたサステナブルツーリズムに貢献しています。オフピーク旅とは、土日や祝日などの混雑を避けた分散型旅行です。観光地をゆったり散策できたり、旅先の人気レストランなども予約不要でゆったりと利用できます。他にも写真を撮影する時に、周りの映り込みを気にせずに撮ることができます。また、観光地などの受け入れ側としてもお客様が少ない時期なので負担を軽減・分散させることにも(微力ながら)貢献できます。
ひとり旅のメリットとしてはマイペースに行動ができて、2人以上の場合よりも何かとゆとりが生まれるので臨機応変にも行動できるといったところでしょう。
休暇村でも今年から「オフピーク旅」を取り入れました。会員様であれば、ひとりあたり1泊につき1,000円割引&1,000ポイント(Qカードへ)プレゼントです。抽選などではなく、どなたでも必ず、そして何泊でもご利用可能です。ホテルに実際に来られるお客様の様子を伺うと「まぁ、こんなにサービスしてもらっちゃっていいのかしら~」といったお声も多いと現地スタッフから聞きます。今はとくに県民割なども自治体によっては利用可能ですので、併用して宿泊をするととてもお得になります。
オフピーク旅について
環境に配慮した旅でより気持ちのよい時間を
旅には非日常を求める方もたくさんいらっしゃると思います。その「非日常」というものをどこで感じるかは人それぞれです。私の場合は、普段は自然が少ない場所に暮らしているので、休日は山へ芝刈り、川へ洗濯に、どんぶらこ~どんぶらこ~(ではなく。)休日は山でピクニックしたり川を眺めて涼んだりして過ごしています。
個人的には、以前は初めて泊まるホテルでは客室に備え付けのシャンプー類やアメニティなどにわくわくして非日常を感じていました。つい、あれこれと試したくなります。
休暇村のアメニティや備品も専門部署のスタッフが、日々様々な業者さんに会って、お客様にとって使いやすいものか、素材は環境に配慮されたものであるか、などあらゆることに配慮しながら商品を選定しています。ですのでお客さまには安心してご利用いただけます。
旅先のホテルに用意されたアメニティを使って(それを使うのも楽しいですが)、ハウスキーピングに清掃をお願いして、毎日部屋をピカピカにしてもらうのも気持ちがいいものですが、環境に配慮して「ごみをちょっと減らしてみようか」とか「不要なアメニティには手を付けない。なるべく自分で持って行く」とかそういった取り組みを心がけたほうが何百倍も気持ちがいい旅になるなぁと私も最近になって気付きました。
環境に負荷をかけるような滞在を続けていては、当たり前のようにある美しい自然もいつか壊れてしまいます。非日常の旅を自然の豊かさに求める自分としては、それでは本末転倒なので、環境に配慮しながらもこれからも自然に優しい選択をできるようになりたいと思う今日この頃です。