壮絶な噴火口トレッキング! ~冬ならでは一押しアクティビティ
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スタッフ名:高梨
冬の裏磐梯のアウトドア活動シーンのなかで、絶対はずせないのがスノーシューによる磐梯山の「噴火口内トレッキング」です!
これはほぼ「イエローフォール巡り」と表現してもいいのですが、イエローフォール以上に「噴火口内を巡った」という印象が強烈に残るからです。
ここで「噴火口」という表現ですが、実は少し厳密ではありません。正確には「崩壊カルデラ底」なのですが、どうも専門用語的なので「噴火口」とすることにします。
噴火口とは、火山噴火のマグマやその副産物の噴き出し口のことですが、明治の磐梯山噴火の場合、マグマも副産物もほとんど噴出しませんでした。
かわりにマグマの熱で熱せられた水分が膨大な水蒸気となって地下にたまり、そのガス圧により水蒸気爆発がおこって小磐梯山が北側に崩れ落ち、巨大な窪地ができました。
この山体崩壊は、岩なだれとなって主に北麓の裏磐梯方面を襲い、477名という明治以降の日本の火山災害史上最多の死者を出しました。
岩なだれがなだれ落ちた斜面が、けずられて現在の裏磐梯スキー場のスロープとなっています。
スキー場下の低地が岩なだれで覆われた所で、五色沼や休暇村のある裏磐梯の核心地です。多くの人が今も埋もれたままですが、岩なだれ堆積物の厚さが50~150mなのでいかんともしがたいのです。
一方、小磐梯山があった場所には、現在、東西約2㎞南北約2㎞と一般的な噴火口より遥かに大きな窪地、崩壊カルデラ(カルデラとは鍋の底の意味)があります。但し、すりばち状の火山の噴火口とは違って、崩壊した山体が北になだれ落ちたため北に開いた4分の3のすりばち状です。東、南、西は絶壁に囲まれた地形です。
壮絶な景色! 普通は見ることのできない、火山の地下内部の光景が眼前に拡がるのです。
上の写真3枚は、東側(櫛ケ峰(くしがみね)側)の絶壁、崩壊カルデラ壁です。
ここには、成層火山の断面といえる、溶岩と火山灰などの交互の地層がはるかに続くのが見えます。普通には火山の断面など見ることができませんから、世界的に貴重な光景です。(事実、世界中の多くの火山学の教科書に掲載されました。)
一方こちらの3枚は、南~西側(大磐梯側)の崩壊カルデラ壁です。
こちらの崩壊壁には、東側のような成層構造が明確に見られません。これは、すぐ近くに小磐梯の噴火口があったため、噴火口の近くにのみ堆積する噴石、火山弾などが大小さまざま膨大に重なり合って降り積もり堆積したためと考えられます。
実際、今も見られる噴気孔は、銅沼の近く、大磐梯側のみに見られます。(2番目の写真が現在の噴気です。)
こうした絶景を巡るには、銅沼(あかぬま)までの探勝路や磐梯山頂への登山道を利用しますが、冬の積雪期になると背の高い木以外は全て雪の下となるので、スノーシューや山スキーだと、より自由にコースが取れます。
つまりカルデラ底を歩くのは、天気の良い時の冬が一番歩きやすいです。
おまけに、カルデラ壁の一角に冬限定のイエローフォールが出現し楽しめます。さらに裏磐梯スキー場が営業している日(通常金曜~月曜)だと、リフトが利用でき、時間を短縮できます。
上の写真の、イエローフォールに向かうときに通る、銅沼(あかぬま)を過ぎてゆるやかな登りとなり大石がゴロゴロする台地あたりが、今は亡き小磐梯山の山頂の直下だったところです。
小磐梯山は、現在の大磐梯1816mよりはやや低い、1750m位だったといわれます。
この写真あたりの標高は約1100mですので、この上650mに小磐梯山の山頂があったのです!
(東京スカイツリー634m一本分位の上空ですね。)
南側の崩壊カルデラ壁にある、火山性の酸性の水が染み出て凍り黄色な氷瀑となるイエローフォールも、現在の磐梯山の火山活動の一環です。
さて今回、私は櫛ケ峰の姿の美しさにも心打たれました。
まるで、世界第二の高峰、カラコルム山脈のチョゴリ(K2)を思わせます。
皆さんも、噴火の痕が今も生々しい、磐梯山ならではの絶景を楽しんでみませんか。
もし歩かれるときは、十分な準備で慎重に行動してください。天候不良だとたちまち厳しい冬山となります。ガイドや経験豊富な方と行かれることをお勧めします。
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