爪木崎めぐり
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スタッフ名:江森
爪木崎は、伊豆半島から小さく突き出した須崎半島の東南端にあり、伊豆七島を望む岩礁が浮かぶ透明な海・青い空を背景にそびえ立つ白亜の灯台と、目を見張るような美しい景観が見所の観光スポットです。
また約300万本の野水仙の群生地としても有名で、可憐な花が咲き誇る12月中旬~2月上旬頃には毎年「水仙まつり」を開催しています。
この景観の良さから爪木崎のある須崎半島には、皇族の別荘である御用邸が建てられております。駐車場左側の「雅の丘」には、昭和天皇と香淳皇后がこの地を詠んだ歌碑も設置されており、ここからの展望は特に素晴らしく、爪木崎一帯を見下ろすことが出来る場所となっております。
シルと柱状節理
爪木崎西側の海岸には、「俵磯」と呼ばれる柱状の岩が整然と積み重なった景色が一面に広がっています。この柱のような岩は「柱状節理」と呼ばれ、マグマや溶岩が冷え固まる際に堆積が縮むためできたものです。
爪木崎の柱状節理は、海底火山の噴火で溜まった地層の面に沿ってマグマが入り込んでできた「シル」と呼ばれる岩体の中にできたもので、伊豆と本州の衝突にともなう隆起と浸食で地表に姿を現しました。
爪木崎灯台
爪木崎には野水仙の他にも代表的な見どころがあります。それが爪木崎灯台です。
灯台から駐車場までは歩いて10分ほどかかります。
爪木崎灯台は、昭和12年(1937年)4月1日に設置されました。地上から頭部までの高さは17.32m、水面から灯火までの高さは37.83mある無人の灯台です。4秒に1回、白色の閃光を放ち、海の安全を守っています。
灯台の先端からは、晴れた日には伊豆七島や、10kmほど沖合いに浮かぶ神子元島を見ることができます。神子元島には日本最古の洋式石造り灯台があり、国の指定文化財になっています。
駐車場から俵磯へ向かう遊歩道の途中にあるのが「親子のドッグロック」と「爪木のプレーリードッグ」と呼ばれる奇岩です。
1枚目の写真の左側の奇岩の形は、海を向いて座った親犬が子犬を背中に乗せているように見え、右側の岩のほうは、プレーリードッグが腰を降ろし、前足を可愛らしく突き出している姿にそっくりな奇岩となっています。
夏は海水浴で賑わう爪木崎ですが、冬の主役はなんといっても野水仙です。比較的温暖なこの地には、灯台下から池ノ段の草原一帯に約300万本もの野水仙が群生しています。八重咲きと一重咲きの2種類があり、毎年、1月下旬頃になると最盛期を迎え一面を白く埋め尽くす美しい光景を見ることができます。
私が訪れた秋には彼岸花が赤い花を咲かせていました。その他、爪木崎では季節ごとに様々な種類の草花を観察できるスポットになっています。伊豆へお越しの際は是非お立ち寄りくださいませ。
*基本情報
☆有料駐車場あり
普通車:500円
*観光情報
爪木崎では、毎年12月下旬から1月にかけて「水仙まつり」が開催されます。
お問い合わせ:下田市観光協会(0558-22-1531)まで。
「伊豆下田観光ガイド」のホームページに、水仙の開花状況が随時アップされますので、参考にしてくださ
い。
*注意情報
現在、柱状節理のそばまで降りる遊歩道ががけ崩れのため通行止めになっています。遊歩道の途中にある展望台からも俵磯を観察することができます。
俵磯の周囲には遊歩道が整備されていますが、急傾斜な場所や歩道面に小石が浮いていることもありますので気をつけて散策をお楽しみください。