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2024.06.05

和歌山なのに函館気分!? 宇久井半島の陸繋島について

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スタッフ名:中村

今回は、休暇村南紀勝浦が立地している宇久井半島についてご紹介いたします。
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宇久井半島の成り立ち
現在休暇村南紀勝浦がある小高い丘は宇久井半島として本島に繋がっていますが、縄文時代の海水面は現在よりも数メートル高く、その頃の宇久井半島は島となっていました。


陸地の近くに島があると、島の陸地側は波が穏やかになり、沿岸流によって砂が運び込まれて堆積しやすくなります。ここに長い年月をかけて砂が堆積し陸地化すると陸繋砂州(トンボロ)となり、陸続きとなった島は陸繋島となります。


宇久井半島は典型的な陸繋島の一例となっており、他の有名な陸繋島としては函館山や、江の島、潮岬などがあります。


一目でわかる特徴は陸地から飛び出す中央がくびれた低地とその先端にある山で、スケールこそ違うものの函館も宇久井も同じような形をしています。
陸繋島を観察
休暇村南紀勝浦から歩いて約10分の所には上野展望台があり、ここから宇久井半島の陸繋砂州の様子を見ることができます。
上野展望台
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上記写真右側の海岸線(北岸)は砂州らしい曲線を描いているのを確認できます。
しかし、左側の海岸線(南岸)は明らかな人工的な直線の海岸線となっており、この付近は埋め立てられてしまったようです。


上野展望台の案内板にある1960年頃の光景を見ると南岸もカーブを描いていることが確認できますが、地理院地図で1961~1969年に撮影された上空写真を見ると既に埋め立てられた後の写真となっており、1960年代にこの場所が埋め立てられたことがわかります。
山を下りて北側の海岸までやってきました。
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現在海には消波ブロックがあり、堤防による護岸工事はされているものの、海岸線はカーブを描いており、砂州の特徴をよく残しています。


ただ、消波ブロックや沖にある防波堤により本来の潮の流れとは変わってしまっているので、100%「自然」な地形かと言われると若干「人工」の要素も含まれているように思えます。
続いて反対側の南側の海岸にやってきました。
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こちらには浜はなく、堤防による人工的な直線の海岸線となっています。


この付近はすべて埋立地となっており、本来の曲線的な海岸線の様子は見られませんが、宇久井半島を横断している県道237号を境に、北側に広がる古い住宅地と、南側に広がる空き地や新興住宅地に分かれていることや、この県道が北岸と対になるようにカーブしていることから、埋め立てた際に古い住宅地のすぐ外側(=昔の海岸線)に沿って道幅の広いこの県道を造ったのではないかと推測できます。
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幅の広い道を造った要因のひとつに、休暇村南紀勝浦の北東、目覚山の麓にフェリーターミナルが造られ、1970年代から東京~那智勝浦~高知を結ぶフェリーが運航されることになったものの、当時古い住宅地には幅の狭い道しかなく、フェリーターミナルと国道42号を結ぶ広い道が必要であったことも関係しているのではないかと思われます。(現在フェリーは廃止されフェリーターミナルには立ち入れなくなっています。)


いずれにせよ、自然が長い年月をかけて作り上げた陸繋島という貴重な地形を、人間の都合により壊してしまったのは非常に残念なことです。


しかもこの埋立地で新興住宅地となっているのはほんの一部で、多くが利用されずに空き地として放置されているのは、本当に埋め立ての必要性があったのか疑問に思ってしまいます。


ただ、埋め立てがなければ砂州の幅は最も狭いところで150メートルほどしかなく、両岸に堤防も築かれずに本来の浜のままでは、高潮や津波はいとも簡単に砂州部分を呑み込んでしまっていたことでしょう。


「人の命」と「自然の維持」を天秤にかけた場合、人の命が優先されることはごく当たり前のことですね。
続いて半島の内陸部分を散策していきます。
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古い住宅地は車1台がギリギリ通れるほどの狭い路地が縦横に走っており、各住居の敷地の境界には生垣が植えられており、昔ながらの住宅地を感じられる町並みとなっています。また、この付近の勾配は砂州の中央に向かって上り坂になっていることが確認できます。
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一方で埋立地にある新興住宅地は、道幅は広く道路も直線的で勾配もない、いかにも新しい町並みというのが広がっています。県道を挟んだだけでこれほど景観に違いが出るのは、見ていてとても面白く感じます。


 
まとめ
今回は宇久井半島の陸繋島について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。


普段何気なく見ている景色も、違った視点から見れば興味深いものであったり実は貴重なものであったりします。


皆様もぜひ一度自分の町の土地の成り立ちや歴史などを調べてみてはいかがでしょうか。


実は知らなかった発見があるかもしれません。
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