北陸新幹線が復旧、復興の力に!
3月16日、地震の被害を強く受けた石川県、福井県内には北陸新幹線が延伸し、小松駅、加賀温泉駅、芦原温泉駅、福井駅、越前たけふ駅(新幹線単独駅)、敦賀駅の新たな新幹線停車駅が誕生します。この北陸新幹線の延伸が、各地の復興の後押しになればと期待されています。
でも、県民に残念がられているのが「サンダーバード」や「しらさぎ」などの特急電車の運行終了。県は利便性を維持するため特急の乗り入れを求めていましたが、残念ながら廃止となってしまいます。
さて、延伸する北陸新幹線の6つの駅や周辺にはそれぞれ特徴があります。加賀温泉郷の玄関口となる加賀温泉駅、駅前広場に動く恐竜が鎮座する福井駅、豪快な景観の東尋坊観光に便利な芦原温泉駅など、魅力いっぱいの福井県に出かけてみましょう。
ぜひ利用したい!着地型バスツアー「はぴバス」
福井県内には観光スポットがたくさんありますが、あちこちに点在しているため、いかに円滑に周遊してもらうかが課題となっていました。北陸新幹線の延伸により、たくさんのお客様の来県が見込めることから、福井県のバス協会のほか、京福バスや福井鉄道など5事業者と福井県観光連盟も連携して共同企業体を結成し、福井周遊「はぴバス」としてツアーを造成しPRしています。
福井県内の新幹線4駅を発着地に、定期観光バスを2コース、募集型企画旅行ツアー8本を実施する予定です。今回は、福井駅発着の定期観光バスAコース、みんな大好き「福井県立恐竜博物館」を巡るコースに体験乗車しました。
世界3大恐竜博物館の1つとも言われ、50体もの恐竜全身骨格や、ジオラマ、実物化石などの貴重な標本が展示され、ティラノサウルスをはじめとする恐竜の世界を体験できる他、化石を見つける「化石発掘プラス」や 本物の道具を使って恐竜の歯を取り出す「化石クリーニング」なども体験できます。恐竜博物館は楽しすぎて、別日程でゆっくりと回りたいくらいです。
博物館のあとには「大師山清大寺(越前大仏)」にも寄ります。像高は17mあり、奈良の大仏様より2m余りも大きいそうです。また、大仏さまの周りの壁一面には小さな石仏1,281体が並んでおり、これはこれで映える写真が撮れます。
建立したのは大実業家の多田清氏。一代で大阪を代表するタクシーグループを築き上げ、「故郷に対する恩返し」の一つとして、ナント!私財約380億円を投じて建立したといわれています。
福井周遊「はぴバス」
興味深い町 北前船が築いた情緒が残る三國湊
芦原温泉駅から車で約30分の地に坂井市三国町があります。冬には「越前がに」が揚がる三国港で知られています。あまり知られていませんが、「東尋坊三国温泉」という温泉地でもあります。
三國湊は九頭竜川の河口にあり、日本海にも面しているため、江戸中期に北前交易船が始まると三國湊でも廻船業に力を入れ始めます。江戸後期には森田家や岸名家という豪商も現れ、有数の北前船寄港地として繁栄します。
北前船交易で栄えた三國湊には、江戸時代当時約40件の遊郭があり、遊女屋や置屋が並んだと言われる花町がありました。遊郭番付表には品川と四ツ谷新宿の間に「三國」の地名が乗っており、屈指の賑わいだたことが伺えます。江戸吉原では最も品格の高い遊女は「花魁」ですが、三國では芸教養と格式、品格を持つ遊女も多く「小女郎」と呼ばれていました。
右:丸岡藩と福井藩の藩境で、往時には三國湊の花街の入口にあたることから「行こうか、戻ろうか」と思案に暮れた小さな橋。「思案橋」と呼ばれています。
そして今、三國湊を「町まるごとオーベルジュ」に
「北前船」の寄港地として栄えた三國湊には 歴史的にも文化的にも観光資源がたくさんあることから、三國湊を世界から選ばれる魅力的な観光地として活性化させていきたいと、NTT西日本が中心となった「Actibaseふくい」が設立されました。
そして1月、町家を改修した宿泊施設と、その宿泊者を対象としたレストラン事業の運営が始まりました。500メートル四方に宿泊施設として十数棟の町家を改修。また、1棟はレストランとして改修し、三国湊の食材を活用したフレンチ料理を提供。宿泊施設と合わせて「町まるごとオーベルジュ」を運営していくそうです。
オーベルジュほまち 三國湊
まだ間に合う「越前かに」
「越前かに」は、毎年11月6日に漁の解禁を迎え、漁期は翌年の3月20日までです(メスのせいこがには資源保護のため12月31日まで)。
さぁ、春休みは、3月16日の北陸新幹線の延伸と共に「東尋坊三国温泉」に出かけ、本物の「越前かに」を食べるとっておきの旅に出かけましょう!
越前かにが食べられる東尋坊三國温泉の「休暇村越前三国」