-目次-
1.気仙沼へ、宮古へ、仙台へ。三陸沿岸交通網が完結間近!
2.海の幸だけじゃない! 新しい気仙沼
3.気仙沼から宮古へ はしご旅のススメ
1.気仙沼へ、宮古へ、仙台へ。三陸沿岸交通網が完結間近!
頼れる3つの移動手段。旅の楽しさもアップ
交通の利便性が増す三陸沿岸。仙台と八戸を結ぶ三陸沿岸道路は、全体の8割ほどが開通済みだ。全区間が開通するのは2020年度内の予定で、仙台から気仙沼へ所要時間約2時間、宮古までが約3時間と大幅に短縮される。
海岸線を走る三陸鉄道も進化している。南北2つのリアス線とJRから移管された釜石〜宮古間がつながり、2019年に大船渡市の盛から久慈まで直通となった。
さらに、JRによるBRT(バス高速輸送システム)も重要な移動手段に。震災で大きな被害を受けたJR大船渡線の気仙沼〜盛間などで、JRが鉄道に代わってバスを運行し、鉄道とうまく連携している。
この3つによる交通網でフットワーク軽く、三陸を旅できる。ハイウェイをドライブして、またはのんびり鉄道とBRTで、さらに3つを組み合わせて、と旅のスタイルはより多彩になり、楽しみも倍増している。
祝・開通1周年『気仙沼大島大橋』
気仙沼市街につながる橋を、という住民の念願をかなえた気仙沼大島大橋。
気仙沼湾横断橋(仮称)で南北が一気につながる!三陸沿岸道路は気仙沼湾をまたいで岩手県へ。
三陸沿岸道路 地元にもたらす恩恵と希望
震災後に国が中心となって整備を進め、延長約359km。開通済みエリアでは観光スポットへの集客アップ、物流ビジネスも活性化している。仙台~宮古間では2区間(9km)の開通を待つのみで、その1区間に気仙沼湾横断橋(仮称)の架橋も含まれている。
また、仙台近郊の鳴瀬奥松島IC以北の開通区間は、すべて料金フリー。全線開通すれば無料区間が日本でもっとも長く、320km以上続く高速道路となる。乗り降り自由なので、各地を観光しながらのドライブ旅行におすすめ。
三陸鉄道リアス線 成し遂げた再度の復興!
リアス線として全線開通した2019年に、台風19号で土砂崩れなどにより多くの箇所が被災した。国と県、沿線の自治体や、さらに全国からの支援と懸命の復旧作業により2020年3月に、再び全線復旧。震災と台風を乗り越えた、まさに不屈の頼もしいローカル線だ。
一般車両の外装は青、赤、白の3色づかい。それぞれ「三陸の海」「鉄道に対する情熱」「誠実」を表わしている。ほかに岩手の古民家風カラーの車両などもあり。
BRTも連携して地域の足として活躍
BRT(Bus Rapid Transit)は、バス専用道などにより大量の、遅れのない運行を可能とするもの。三陸ではJR大船渡線の気仙沼・陸前矢作~盛間、JR気仙沼線の前谷地~気仙沼間に導入され、、気仙沼をターミナル駅として地域に定着している。
JRの鉄道用地がバス専用道として整備され、待合室や運行状況のモニターなどを完備した駅(右は南気仙沼駅)の新設なども実施。運行頻度も震災前より向上している。
2.海の幸だけじゃない! 新しい気仙沼
東北有数の漁業の街である気仙沼。海鮮はもちろん、震災後に誕生した多彩なお店も新たな魅力だ。ハイウェイが延び、橋も造られ活気みなぎる街の人気スポットを気仙沼大島を含めてご紹介。
〝島時間〟の安らぎと再生する街のパワーを体感
別名〝緑の真珠〟という気仙沼大島は、自然が豊か。信号が1つしかないのんびりとした島にも、2019年に商業施設「野杜海(のどか)」が登場。にぎわいを生んでいる。
一方、街の中心である内湾地区には商業施設「迎 ムカエル」に続き、2019年に「気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ」などがオープン。周辺にはセンスあふれる食や手仕事のお店もできている。「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」も開館。街は震災の記憶と教訓を、広く伝えることも忘れていない。
すでに仙台と三陸沿岸道路で結ばれ、気仙沼湾横断橋(仮称)も生まれる気仙沼。その躍動感を、街を歩いて肌に感じてみたい。
①復興かき小屋 唐桑番屋
カキ養殖者たちが震災後、多くの支援を受けて開業。とれたての大きな殻付きのカキやホタテはテーブルで蒸し焼きにし、ふたを取ると勢いよく煙が!どちらもプリプリの食感で濃厚な味わいだ。
宮城県気仙沼市唐桑町鮪立241-6 TEL:080-8205-4186
営業:10~5月の土・日・祝(要予約) アクセス:休暇村から車で約30分
②気仙沼大島大橋
全長356m。橋の上では鳥のさえずりも響き、気仙沼市街や入り組んだ海岸線、ワカメ養殖の浮玉やカキの養殖いかだが浮かぶ海を一望できる。片側に歩道があり、散歩やサイクリングにも絶好だ。
アクセス:休暇村から車で約6分
③野杜海(のどか)
旧フェリー乗り場があった浦の浜に飲食店などが軒を連ねる。老舗鮮魚店「魚研」でも、地物中心の旬のネタが8種類のる「海鮮丼」を注文できる。海に臨む敷地内の芝生エリアで味わいたい。
宮城県気仙沼市浦の浜 TEL: 0226-25-8447 アクセス:休暇村から車で約4分
④亀山展望台
標高235mの亀山に建ち、360度の雄大なパノラマが広がる。市街や唐桑半島のリアス海岸をはじめ、晴天なら遠く南の金華山まで眺められる。雨天でも、ここから見る街の夜景は格別だ。
アクセス:休暇村から車で約6分
⑤十八鳴浜(くぐなりはま)
乾いた砂を踏むと「クックッ」と鳴る楽しい鳴砂の浜で、国の天然記念物。9(クッ)+9(クッ)=18であることが名称の由来。駐車場から浜へは山道を行くので、歩きやすい靴で出かけよう。
アクセス:休暇村から車で駐車場まで約5分、駐車場から徒歩で約20分
⑥気仙沼市まち・ひと・しごと交流プラザ「創 ウマレル」
隣に建つ「迎 ムカエル」とともに、気仙沼の新しいランドマークと言える公共施設。海が見えるラウンジや、遊覧船発着場に臨む屋外のポートデッキなどがあり、観光客にも居心地のよいスポット。「迎 ムカエル」ともつながっている。
宮城県気仙沼市南町海岸1番11号 TEL: 0226-25-8591
アクセス:休暇村から車で約17分
⑦鼎(かなえ) 斉吉
大正時代創業の加工食品メーカー「斉吉商店」が営む和食処。メニューは地元産の魚中心で、「本日の丼」(平日のみ)はその日の仕入れで素材が変わる。木々に包まれ、眼下に内湾が広がる高台の立地もステキ。
宮城県気仙沼市柏崎1-13 TEL: 0226-22-0572
アクセス:休暇村から車で約19分
⑧気仙沼市 東日本大震災遺構・伝承館
震災の記憶と教訓を伝承するため、“目に見える証”として津波で4階まで被災した気仙沼向洋高校旧校舎を「震災遺構」として保存し、展示や研修会場を備える「震災伝承館」と併せて公開している。
宮城県気仙沼市波路上瀬向9-1 TEL:0226-28-9671
アクセス:休暇村から車で約35分
⑨気仙沼「海の市」シャークミュージアム
サメの水揚げ高が全国一の気仙沼には、サメ博物館も。中では全長5m以上になるというホホジロザメの模型にビックリ。壁一面にサメの種類が描かれ、サメの生態に関する展示も豊富だ。
宮城県気仙沼市魚市場前7-13 TEL:0226-24-5755
アクセス:休暇村から車で約19分
⑩気仙沼 お魚いちば
名産のメカジキや一本釣のカツオなど、地場の旬の魚介がいっぱい。ホヤは、殻付き、むき、冷凍とそろう。特製の甘酢に漬け込み、あぶった「あぶりさんま」などの加工食品も種類豊富で人気だ。
宮城県気仙沼市港町2-13 TEL: 0226-29-6233
アクセス:休暇村から車で約18分
※営業日・営業時間等の詳細については直接店舗・施設へお問合せください。
3.気仙沼から宮古へ はしご旅のススメ
気仙沼からは三陸沿岸を北上し、休暇村陸中宮古へ足を延ばしたい。
ハイウェイのドライブ、またはBRT&三陸鉄道で三陸ならではのリアス海岸の眺めに息を飲み沿岸の見どころやグルメを楽しんでの〝はしご旅〟へ出発!
地域に人の輪を創り出す 岩手沿岸の新名所
〝はしご旅〟は、三陸沿岸道路をドライブして行けば料金を払う手間もなく、心地よさは抜群だ。一方、三陸鉄道で行くなら、〝ホタテの絵馬〟で知られる恋し浜駅のように、個性豊かな駅に出合えて楽しい。
この旅でまず訪れたいのは、陸前高田の「いわてTSUNAMIメモリアル」だ。背後の道を進むと、高い防潮堤上に展望台があり、海や再生中の高田松原、「奇跡の一本松」を見渡せる。津波のあと、静かで広大な公園となった、この場所自体も心に残る。
隣町の大船渡には「かもめテラス」が。銘菓〝かもめの玉子〟で有名な三陸菓匠さいとうの総本店でイートインスペースも充実。まるでお菓子の国のような空間は、震災後、地域の新たな憩いの場をめざして生まれた。同様の思いから実現したのが、釜石の「ミッフィーカフェかまいし」だ。〝鉄と魚とラグビーのまち〟には、2019年に「魚河岸テラス」もオープン。新名所を訪れるだけでなく、名物〝釜石ラーメン〟も味わいたい。
旅の終点、宮古では浄土ヶ浜へ。白砂青松の美しい眺めに浸ったら、休暇村陸中宮古で、三陸の海鮮の美味を舌と心に刻もう。
①奇跡の一本松
高田松原の約7万本の松のうち、唯一、大震災の津波を生き延びた「奇跡の一本松」。海水により2012年に枯死したが、モニュメントとして高田松原津波復興祈念公園内に復活した。
②いわてTSUNAMIメモリアル
2019年に開館。4つのゾーンから成り、被災した消防車なども展示する。東日本大震災の津波発生後の消火活動や医療活動などに関する展示は、命を守るための貴重な教訓を教えてくれる。
岩手県陸前高田市気仙町字土手影180(高田松原津波復興祈念公園内) TEL:0192-47-4455
③ワタミオーガニックランド
2021年、陸前高田に日本初の体験型農業テーマパークとしてオープン予定。約23haの園内では有機農業や畜産が行われ、体験できる。レストラン、物販施設、野外音楽堂、発電施設などが作られ、にぎわうこと必至だ。
④かもめテラス
「かもめの玉子」は多彩な品ぞろえ。玉子型の子供の遊び場(左)などもある。「D E C Oかもめの玉子づくり体験」も人気(右下)。「かもめの玉子」の黄身あん、ラズベリーあんをまとった「かもめソフト」(左下)もぜひ。
岩手県大船渡市大船渡町字茶屋前7-31 TEL:0120-311-514 / 0192-27-3135
⑤恋し浜駅
山間にある無人駅で、駅名は「小石浜」から2009年に変更された。待合室にはホタテの貝殻とペンが用意されていて、願い事を書いて吊るすことができ、ホームには自由に鳴らせる“幸せの鐘”もある。
⑥恋し浜ホタテデッキ
震災後、小石浜地域の復旧を助けた多くのボランティアと、地元漁師の交流により生まれた場。朝、地元でとれたホタテをBBQスタイルで味わえて、各地から人が訪れる。
岩手県大船渡市三陸町綾里字小石浜123-1
TEL:050-5215-8007 営業:5~9月の土・日・祝(要予約)
⑦新華園本店(釜石ラーメン)
通ったスープが主な特徴の釜石ラーメン。そのルーツである新華園では、100%鶏ガラと、豚骨や魚介、野菜などによるスープをブレンド。
岩手県釜石市大町2-1-20 TEL:0193-22-1888
⑧ミッフィーカフェかまいし
震災で被災した釜石の力に、とオランダ王国大使館などの協力でオープン。オランダ生まれのキャラクター“ミッフィー”の世界観に浸れるインテリアとキュートなフードやドリンクに気持ちもほっこり。
岩手県釜石市大町1-1-10 釜石情報交流センター内 TEL:0193-55-6707
⑨魚河岸テラス
1階には物販や展示スペース、貸出可能な会議室やキッチンスタジオがあり、多様に活用できる。4店舗が入る2階の飲食店は、開放感あるガラス窓となっており、釜石湾の景色を一望しながら地元の食材を使った食事が楽しめる。
岩手県釜石市魚河岸3番3 TEL:0193-27-5566
⑩浄土ヶ浜・青の洞窟
立ち並ぶ白い奇岩と松の緑、海が絶景をなすのが浄土ヶ浜。17世紀後半に、地元のお寺の和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と称賛したのが名称の由来だそう。浄土ヶ浜の見どころで、水の色に魅了される青の洞窟も遊覧したい。
アクセス:休暇村陸中宮古から車で約18分
※青の洞窟へは浄土ヶ浜マリンハウスの遊覧船で。
営業: 3~11月(事前予約不可)
※営業日・営業時間等の詳細については直接店舗・施設へお問合せください。
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