新紙幣の導入と偉人たち
2024年7月に新しい日本の紙幣が発行され、半年が経ちました。今回、新たに肖像画として採用されたのは、医学、経済、教育という異なる分野で日本の近代化に多大な貢献を果たした3人の偉人です。
千円札には「近代医学の父」北里柴三郎、5千円札には女子教育の先駆者である津田梅子、そして1万円札には「日本資本主義の父」「実業の父」とも呼ばれる渋沢栄一が描かれています。彼らの生涯を深く知ることで、私たちが受け継ぐべき歴史や精神をより身近に感じられるかもしれません。
今回は、彼らの足跡をたどる旅として、熊本県小国町の北里柴三郎記念館、東京都小平市の津田塾大学、埼玉県深谷市の渋沢栄一記念館を訪ねました。それぞれの地で見つけた魅力をお伝えします。
近代医学の父を育んだ地、小国町
北里柴三郎記念(熊本県小国町)
小国町は、近代医学の父と称される北里柴三郎の故郷です。彼は世界的な感染症研究の第一人者として、多くの命を救ったことで知られています。
小国町の「北里柴三郎記念館」では、彼の生涯や業績が詳しく紹介されており、特にペスト菌の発見や破傷風血清療法の功績に触れることができます。また、彼の故郷ならではの風景や郷土料理を楽しむことで、彼の原点に思いを馳せることができます。
館内には当時の資料や生家が展示されており、北里柴三郎の偉大さを肌で感じられる貴重なスポットです。
北里柴三郎の胸像の背景には緑豊かな風景が広がり、近代医学の父と称される彼の偉業を静かに伝えています。
北里柴三郎ご夫婦が植えたとされる歴史的な木“お手植えの杉”。青空にそびえるその姿は、彼の偉大な功績と未来への希望を象徴しています。
茅葺き屋根の趣ある建物の北里柴三郎の生家。周囲の自然と調和したその佇まいがどこか懐かしさを感じさせます。
※写真は貴賓館から撮影
休暇村南阿蘇から北里柴三郎記念館へのアクセスMAP
北里柴三郎記念館
女性教育の先駆者、津田梅子の精神を受け継ぐ場所
津田塾大学(東京都小平市)
次に訪れたのは津田梅子が設立した「津田塾大学」。津田梅子は、女性の教育機会が限られていた明治時代に、アメリカ留学を経て日本に帰国し、女子教育の礎を築きました。
小平市にある津田塾大学のキャンパスは、彼女の精神を受け継ぎながら静かで落ち着いた雰囲気を持っています。キャンパス内の展示室では津田梅子の留学時代の写真や資料が展示され、当時の彼女の苦労や情熱を感じることができます。
津田梅子の目指した女性の自立と社会進出の理念は、現代にも大きな影響を与えています。
また、大学周辺には緑豊かな散策路が広がり、歴史を感じながらリフレッシュすることもできます。
※津田梅子資料室展示スペースは写真撮影が禁止されています。見学の際はご留意ください。
※津田塾大学小平キャンパス星野あい記念図書館内にある”津田梅子資料室展示スペース”は事前予約が必要です。また訪問可能日につきましては予めご確認ください。
休暇村奥武蔵から津田梅子資料室(津田塾大学)へのアクセス
津田梅子資料室
「日本資本主義の父」の故郷、深谷市
渋沢栄一記念館(埼玉県深谷市)
埼玉県深谷市にある「渋沢栄一記念館」。彼は日本資本主義の父と称され、第一国立銀行(現在のみずほ銀行)をはじめ約500もの企業設立に関わった人物です。
記念館では渋沢栄一の波乱万丈な人生や、近代日本の発展に寄与した多大な功績を学ぶことができます。展示には彼の手紙や当時の帳簿があり、彼の情熱と誠実さを間近に感じられます。また、館内の映像資料も分かりやすく、渋沢栄一の思想や実績を丁寧に解説してくれます。
深谷市といえば特産の「深谷ねぎ」も有名です。渋沢栄一のルーツをたどる旅の締めくくりに、地元料理を堪能してみるのも良いでしょう。
渋沢栄一のアンドロイドによる講義は、彼の思想や功績を体感できます。まるで本人の話を聞いているかのような臨場感が魅力です。
渋沢栄一の生家“中ん家”は、埼玉県深谷市に残る歴史的建造物です。木造の風格ある佇まいから、渋沢の幼少期と彼が育んだ価値観を感じ取ることができます。
深谷の名物“煮ぼうとう”は、地元産の野菜がたっぷり入った滋味豊かな一品です。渋沢栄一も愛した、心も体も温まる深谷ならではの味を堪能できます。
休暇村奥武蔵から渋沢栄一記念館へのアクセス
渋沢栄一記念館
旅の終わりとして
日本の新紙幣に選ばれた3人の偉人の足跡を巡る旅は、改めてその偉業や日本の近代化の歴史を深く学べるものとなりました。それぞれが異なる分野で日本を支えた人物でありながら、共通するのは強い信念と情熱でした。
これらの記念館や施設を訪れることで、現代の私たちが受け継ぐべき精神や学びを得ることができるのではないでしょうか。
今回紹介した各施設へのアクセスに便利な休暇村はこちら
休暇村南阿蘇
休暇村奥武蔵